ヘビーリスナーさんへのDM
初めまして。私はラジオ局で制作補助のアルバイトをしている学生です。夜の生放送で、リスナーさんからのメールやTwitterを印刷してディレクターとパーソナリティーに渡すことと、リクエストしていただいた音源を用意することが私の仕事です。
たくさんメールをくださり、いつもありがとうございます。そして、あまりリクエストにお答えできず、申し訳ありませんでした。あなたのリクエストは、リクエストしてくださった時は配信限定だったり、音源がまだ届いていなかったり、2.5次元ミュージカルのテーマソングなどのサブカルチャーの玄人向けのものだったりと、こちらに保管していないものが多いのです。曲名やアーティストなど、私は疎いところなので、楽しく読ませて頂きました。
アルバイトをするようになってから、リスナーさん方はスゴいなあと、思うようになりました。メッセージのテーマや時事ネタ、パーソナリティーの得意な話題、ひいては番組のカラーというか空気に対応してリクエストをしてくださったのでしょうか。リクエストというより企画の提案のようです。すると必然的に常連の方のリクエストは採用されやすいかもしれません。パーソナリティーや一緒にセットリストを作っているディレクターとのコミュニケーションがとれているように見えます。
よくドラマとか漫画とかで、ラジオを拠り所にしている人物が出てきます。その人はたまたまそのラジオに受け入れられたのでしょうか。本当は自分の居場所に収まる構えを分かることができたからでしょうか。本当はコミュニケーション能力が高かったのを、たまたま発揮出来たのでしょうか。私も、よくわかりません。
対面していなくてもコミュニケーションが成立しているように見えると、私は途方に暮れます。生存不安を感じます。抱えているCDを放り出して局前の国道に飛び込みたくなるくらいです。
あなたからのメールを生放送中に何通も見た時もです。
あなたは、この地方のラジオ番組から流れる音楽を変えたいのですか?
それとも、自分のために自分の好きな音楽を、自分以外の人にかけて欲しいのですか?
御自分のセンスを活かして番組に貢献したいですか?
それともあなたがダサいと思っている選曲に一矢報いたいのですか?
依怙贔屓や胡麻すり、まるで無自覚な馴れ合いのように見える構造を壊したいのですか? 当番組はあなたにとってその象徴ですか? そのものですか?
それとも無条件で応えて欲しいのですか?
何度も自分の話をして申し訳ありませんが、今の自分が出来ることに、あまりにも反応が無いと、私は途方に暮れます。
ところで、今日あなたのリクエストがかかったのはお聴きになりましたか? 実は私、そのCDを探すことができなかったのです。然るナンバーを探しても見つからなかったのです。箱番組の収録で使われているのか? 失礼でしょうが、苦笑してしまいました。なんて運が悪いのかと。そうして舌打ちしそうになりました。呪わしさが込み上げかけた時、曲名とラジオネームを告げる声が聞こえました。実は今日はパーソナリティーの交代の日でバタバタしており、早めに来たリクエスト分はディレクターが用意しておりました。
私は、それでまたスタジオに戻ることができました。
無礼をお許しください。失礼致しました。
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