【感想】”Hilma af Klint & Piet Mondrian: Forms of Life”(テート・モダン)
少し規模が小さめな展覧会ではあったけれど、新しい発見がある展覧会でした。
そもそも「Hilma af Klintという名前には聞き覚えがないな…でもMondrianは教科書か何かで見たことあるな…なんとなくポスターの絵には惹かれるし観に行ってみるか」というノリで行ったので、新しい発見ばかりだったのも当たり前です。
Hilma af Klint と Piet Mondrian という、お互い会ったことがあるわけでもないアーティストたちを一緒に取り上げたこの展覧会。ふたりの共通点となっていたのは、抽象画の可能性を広げたことでした。特に、X線撮影や顕微鏡といった新しい技術が「人間が認識するもの」に疑問を投げかけ始めた時代において、植物などの「自然」から着想を得て、アートとあらゆる生命体とのつながりを表現できるような抽象的な表現方法をつくっていこうとしていたとのこと。
*展覧会のガイド参照:https://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/hilma-af-klint-piet-mondrian/exhibition-guide
とても個人的な(しかも所謂食わず嫌いな形での)印象では、抽象画は自分には難しすぎる、と思っていたので、一度こうして抽象画を扱う展覧会を観て、その背景にある考え、抽象画までたどり着いた足跡などを知ることができて良かったと思います。
ここからは展覧会を歩きながら考えた感想です。
秩序ある混沌
特にお気に入りだった部屋は “metamorphosis(変態)” のテーマでキュレーションされた部屋。主に植物の絵が展示されているところで、両アーティストの絵がリアリスティックなものから抽象的なものへと変化しながら、 microcosm(小宇宙)と macrocosm(大宇宙)の類似点を明らかにしていこうとしていた、という足跡がたどられていました。
そんな展示を観ながら思い出したのが、友達と数日前にしていた、人間は秩序ある混沌が好きだという話。その友達曰く、人間は秩序ある混沌が好きであり、人間が自然のものに惹かれるのは、木や花からは秩序ある混沌が感じられるかららしい(真偽は未確認)。
植物の絵を観ながらこの話を思い出しつつ、確かに顕微鏡で見る植物の細胞も木の枝の広がり方も「秩序ある混沌」という説明がしっくりくる模様だと言えるし、それでいてその模様を見るのは自分は好きだなぁと感じる、と思ったところでした。
Neo-plastic art… プラスチック?
(こちらは感想というより忘備録)
Mondrian 展示の説明を見ている中で引っかかったのが、”neo-plastic art” “neo-plasticim” というワード。…プラスチックってペットボトルとかのあれ?さすがに違うよね?
調べたら、日本語では「新造形主義」というようで、
なるほど、新しい言葉を覚えました。
ちなみに
テートの美術館の展覧会は、Tate collective にサインアップすることで全て£5で入場することが出来るようになります。26歳までの特典。イギリスはところどころで若者に優しいです。
*バナー写真:https://www.tate.org.uk/whats-on/tate-modern/hilma-af-klint-piet-mondrian
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