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呼び方が変わり、関係は終わりを告げた

 尊敬する人からの呼び方が変わった。
 それに気づいた瞬間、なんとも言えない気分になった。嬉しさとも寂しさとも違う感情が込み上げてくる。強いていうならば、喪失感が1番近いかもしれない。
 今まであった関係性は完全に線が引かれ、終わってしまった。ここから先は違う関係性が始まるのだ。

 意識したことはなかったけれど、名前の呼び方には単なる記号以上の意味が内包されていたのだ。

「〇〇さん」から「〇〇ちゃん(くん)」へ。
「きみ」から「お前」へ。
「あなた」から「お父さん」へ。

 呼び方が変わる時、2人の間には大きな変化が起こる。関係性が変わったから、呼び方が変わるのか、呼び方が変わるから関係性が変わるのかどちらなのだろう? 僕は両方が相互に関係していると思っている。

 この人とどうか変わっていくのか? 
 呼び方にはその姿勢の表明も込められている。
 だから、僕は自分の呼び方が変わってドキッとしたのだ。非常に、身が引き締まる。

 そして、1つ納得したことがあった。僕は肩書きが嫌いなのだが、その理由の一旦がわかった。教員やら医者やら弁護士やら、その人との関係性など無視して「先生」と呼ぶことを求められる。
 呼び方を、関係性を、固定されて調節できないのは非常に息苦しい。

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