現状把握とは「なにがあるか」を知るための行為だ
目指す方向がはっきりして、自分の置かれた状況についてきちんと知れば、自ずと進む道は見えてくる。
だから主観を交えずに事実を明らかにするのは、暗闇に光を灯すような大事な行動だ。
販売戦略を練る時は様々なデータをとる。今日のコーディネートを決めるためには自分の持っている服を引っ張り出してくる。
けれど、そうした事実も人間が集めるものなので、主観に左右されている。それを忘れて現実を見つめてみても、得られる情報量だけはたくさんあってもなんの道筋も見えてこない。
なんのために現状を把握するのか?
いま、手元にあるものを知るためだ。
不思議に思うかも知れないけれど、自分が持っているものを人間は正確に把握していない。たとえば、家にティッシュやトイレットペーパーがいくつ残っているかはわかる人は珍しい。
一方で、不足しているものには目がいく。だから、ティッシュがなくなったらすぐにわかるだろう。
同じ要領で「なにが足りないか」「なにが問題か」などの事実を集めてしまう。しかし、それでは未来は闇に閉ざされる一方だ。
ネガティブな面よりもポジティブな面を見ろと世間で言われるのは、微妙に意味は違っても納得できる。
ないものはないのだから、使えない。
しかし、あるものならば、使える。
現状把握は、未来へと旅立つ自分(達)のために、雨風をしのぐコートとなり、空腹を満たす食料となり、くじけそうになった時のお守りとなるのだ。
私は、一体なにを持っているのだろう?
まずは手元にあるものを数える。それが役立つかどうかはあとでいいじゃないか。
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