別れは伏線

 年末は別れの時期だ。
 年の瀬は、様々な区切りとして、とてもいいタイミングだからだろうか。

  2つの別れが立て続けにあった。今まで当たり前にいた人が、もういなくなる。とても不思議な感覚で、未だに慣れない。いや、慣れないでいいのだと思う。

 それはつまり、「別れ」を記号化された儀式と思っていないからだ。Aさんとの別れを経験しても、Bさんとの別れは初めてだ。だから、慣れるはずがない。

 2つの別れはどちらもカラッとしていて、スッキリ別れた。「元気でね」と握手して、笑って別々の道を行った。湿っぽいのは苦手だから、これくらいでちょうどいい。

 別れは再会までの伏線で、新たな出会いの布石に過ぎない。
 だから、寂しさなんて感じなくていい。

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