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電車内観察

 僕は些細な行動にこそ人の心は宿ると思っている。
 たとえば、僕はよく扉を足で閉めるし、トイレットペーパーが切れてもその瞬間には変えない場合がある。
 その行動に僕のどんな一面が表れているかかはさておき、他者に注意を払いながら生活してみることは自分を助けると思う。ざっくり把握してすぐに行動したいタイプなのか、緻密に計算して計画通りに進めたい人なのかによって、対応は大きく変わるだろう。

 そうした意味で、電車やバスなどの立居振る舞いを見るのが好きだ。あまり長くない時間の中で、「動(出入り)」と「静(待つ)」の時間があり、その過ごし方にも自由と幅があり、同じ空間にいながら適度にお互いに無関心でいられる。だから、自分の向かって正面にいる人を眺めていても、浮いて見えることもない。
 椅子の端か真ん中に座るのか、人とどれくらい距離を開けて座るか。座り方は1人なのか、集団なのか。そういうのをなんとなく眺めていると、その為人がぼんやり浮かび上がってくる。

 そうやって磨く観察力は、初めて会う人とのコミュニケーションにも話の材料になって、とても助かる。なにをするでもなく、スマホを眺めているよりもとても役立つと思っている。

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