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余分切り捨て

仕事終わりに髪を切りに行った。  いつもお世話になっているところが予約が取れず、今日は初めて行くところだった。

最初は無口な美容師さんだと思った。色んなタイプの人がいるけれど、無言で切り進めていく。しかし、気になったことがあって1つ質問をしたら、話し始めた。最初はポツリポツリと話していたのだが、聞いているうちにどんどん饒舌になっていく。  最後に至っては、手を止めて美容業界でのお客さんの取り方について語っていた。

理に叶った話をしているし、説明もわかりやすい。髪型についての理論もしっかり語って、なぜこの形にしたのかも言ってくれる。

僕はその美容師さんのことを凄いと感じたが、もう1度お願いしたいとは思わなかった。  好きとか嫌いとかそういう話ではない。最初以外は僕の聞きたいことに答えてくれなかった。その人の話したい内容を話していて、僕の聞きたいことではなかった。

自分が欲してもいないものを押しつけられるのは、煩わしく感じてしまう。初めから最後まで馬鹿丁寧に教えて欲しいのではない。ポイントとなる部分をまずは知りたいのだ。そこから全体像が掴めるから。

正しさを振りかざしてはいけない理由は、ここにあるのだろう。筋は通っていても、必ずしも正当性で僕達は行動しない。正しさを噛み砕くには結構時間がかかる。

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