見出し画像

走って、悟る

 自粛期間中、人のいない時間を狙って毎日走っていた。
 すると、だんだん体力がついてきて、余裕が出てくる。そして、育った自信がある日囁く。

 今日はもう少し長く走ってみようか。

 2週間に1回くらいの頻度で繰り返された結果、毎日5km以上走るようになった。最初は肩で息をしながら走っていた距離が今では、大して息も乱さず走れる。もう1周してこいと言われても、問題ない。

 いまも継続しているこの体験が、よくわらかないけれど、とても大事なものだと思っている。

 現段階で可能な限り、言語化してみようと思う。

 第一に、まず余裕があった。仕事も休みになり、時間は十分に使えた。それまでも毎日走っていたが、スロージョギングみたいなもので、走るというよりも速く歩くに近かった。それを明確に「走ろう」と自分で決めた。

 第二に、決して無理をせず、「もっと長く走れる気がする」と気持ちが自然と起こってくるまで待てた。可能か不可能かではなく、欲求が起こることが大事なのだ。

 第三に、確かな実感として僕の身体は変化していっている。体重とか体脂肪率とか数値的なことよりも、ありありと僕は変わっている。

 人が変化していくプロセスにおいて、重大なヒントが隠されている感覚がある。それがなんであるのかは自分でもまだつかみきれていない。でも、この体験を続けていけば、なにかが明らかになると信じている。

 その確信が今日も、明日も僕を走りに行かせる。

読んでいただきありがとうございます。 励みになります。いただいたお金は本を読もうと思います。