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渇きを自覚する問い

 率直な問いは、いつだって新鮮な風を呼びこんでくれる。

「本田さんの活動のモチベーションってなんですか?」

 今日、そんな問いを出してくれた人がいた。お互いになんとなく知っていて、けれど知りすぎない間柄。自分のことを順序立てて説明していった後で、その問いは出てきた。

 僕は言葉に詰まった。

 自分の中でやるのが当たり前過ぎると、「なぜ?」の部分はいちいち深掘りしない。呼吸している理由を尋ねられるのに近いかもしれない。それを改めて考える機会をもらえたのは、非常に貴重だった。

 逡巡の末に、「必要だから」と僕は答えた。

 だれにとって、なにが、と対象を絞れなかったが、その回答は自分でしっくりきた。
 きっと、色んな意味が内包されているのだろう。僕にとって、他者にとって、社会にとって、それぞれの必要性がある。だけど、全然足りていないものがあって、それを自分なりに満たそうとしている。それがモチベーションになっているのかもしれない。

 そして、その意味するところは自分にまだまだ渇きがあるということだ。自分の欲望がまだまだ健在であることが知れて、妙に嬉しかった。

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