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満たされている時には気づかない難儀な生き物

 SNSで仕事行きたくない気持ちをつらつらと語っている人がいて、そういえば僕は何年も行きたくないと感じたことがない。面倒だと感じる機会はある。寝不足や暑さで出たくないのはある。ただ、仕事自体が嫌だと思っていない。

 それはやっぱり幸せなのだ。
 自分にとっては当たり前だから意識しないけれど、そうじゃない人も意外なほど多い。

 満たされている時は、そのありがたみになかなか気づけない。人間は、難儀な生き物だ。もっと感謝しなければな、と折に触れて思う。

 高齢者と話していると、「ありがたいね〜」とよく口にする。祖母はまさにそういう人で、「ありがたい、ありがたい」と嘘くさいくらい何度も口にする。ただ、それは戦争時代を経験しているからだろう。

 戦中戦後のなにもなかった時代を体験した人にとっては、まさに「有る」は「難し」で「有難い」のだろう。ただ、なんでも有る時代に生まれた僕達は、震災を間近に経験した人々を除けば、その強烈な原体験を持たない。

 だから、何事にも感謝するように勧められるのかもしれない。対象を選り好みしているうちは、自分が無条件に享受している幸せに気づけない。全てに感謝すれば、抜け落ちはない。
 そして、それは一部を選んでやるよりも実は簡単なのだ。

 

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