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弱さを見せる練習

 自分が強いと思っていた人の弱っている様を見る機会が最近ちらほらあって、意外に思った。

 考えてみれば、だれしも相応の弱さを抱えている。なんでもかんでも完璧な人なんていないんだ。
 それでもなかなか人の弱さに触れられないのは、それを見せることが文字通り弱みになってしまうからかもしれない。

 そんなことを考えていた折に「本田さんって、いつも泰然としているように見えるんですよね」と言われた。

 ああ、僕もまた弱さを無自覚に隠していたのだと思い知らされた。

 自慢ではないが、しばしば僕は処理が追いつかなくてなんにも考えていない時がある。
 そして、自分の状態を口にしているつもりなのだけど、実際に他者の視点からみると、僕の機能停止はちゃんと伝わっていないのだ。

 僕は自分の弱さを知っておいてほしいと思っている。その方が、無茶振りなどをされる心配もなく、相手と接する時に楽だからだ。でも、思っているだけじゃ実現しない。

 自分を売り込む時に、自己分析やプレゼンの練習をするならば、弱さを見せるのにだって、訓練が必要なのだろう。

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