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他者に代弁させてはいけない

「〇〇さんと同じです」
 意見を求められて、それだけ答える人がいる。でも、それは絶対にやめた方がいい。意見は同じだと感じても、必ず自分の言葉で言い直すのだ。口にしてみたら、大なり小なり違うだろう。

 他者に代弁してもらおうとしたら、下手をすれば想ってもいないことが自分の意見とされてしまうかもしれない。

 今日、街頭インタビューを受けた。通常ならばお断りするけれど、防災に関するもので、「1分くらいで済む(5分かかった)」と言われたので、足を止めた。

 おそらくアンケート方式だと記入してもらえないのだろう。インタビュアーが何人かいて、声をかけた人に質問項目を投げかけて、聞いた内容を記入していく。

 聞かれるままに思ったことをそのまま答えていたら、途中で違和感を覚えた。

 5段階で「そう思う」「思わない」を表現する質問がいくつかあった。たとえば、防災情報の掲示を見せられ、「この内容で伝わると思いますか?」と言った具合に。

 僕はシンプルに見ただけではわからないと思ったので、「まったくわからないです」と答えた。そうしたら、インタビュアーは「なるほど」と言いながら4に丸をつけた(1が肯定で5が否定の意味合い)。

 おや? と思ったが、次の質問にも答えたら、また僕の意図とは違う答えに丸をつけている。

 そんなことが続いて、しまいには4問目で「これは思わないですよね〜」と先回りして、丸をつけてしまった。

 流石に看過できなくて僕はインタビュアーを止めてしまった。
「それは僕の意見ではないから、もう一回やり直してください」と仕切り直してもらった。今度は誤解のないよう、数字で答えを伝えた。

 別にインタビューの内容自体は僕にとっては重要ではなかった。だから、嘘の答えでも問題ないのかもしれない。けれども、捻じ曲げられた意見を、自分の意見として提出されるのが虫酸が走った。

 言ってないだけなら、まだいい。沈黙の責任は僕が負えばいい。
 しかし、思ってもいない意見を、言ったとされるのは嫌だ。

 だれかに代弁してもらおうだなんて、やめておいた方がいい。
 喋るのが上手くなかろうが、自分の言葉で語るんだ。

 しまいには、誤解されて、関係のないレッテル貼られて、一括りにされても文句は言えなくなるぞ。

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