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診断がつきました

こんにちは、kiraです。
今回は、診断がついたその日のことを書こうと思います。
重い内容になりますので、苦手な方はスルーしてくださると幸いです。

検査結果が揃い、医師からの説明がありました。
消化器外科の教授からの説明でしたが、手術が長引いているとのことで副部長先生からの説明になります。

病名は『十二指腸膵頭部癌』

手術をしなければ生存率はぐっと下がる、選択肢は今のところ手術です。
とのことでした。
消化器外科に紹介になった段階で、手術であることは間違いないだろうと
思っていました。
実際に病名を言われても、説明されても、ピンとこなかった。
とにかく
『生きたい』
という思いが強かった。
隣の夫のことも気にかけられなかった。おそらく彼だって相当なショックを受けてるに違いないのに。

『先生、私は、生きたいです。これから、長男の卒業式もあるし、入学式もあるんです。それに出たいです。子供の成長が見たいです。一緒に過ごしたいです。手術、お願いします』
そこまで話したら、覚悟していたはずなのに、涙が溢れて止まらなかった。

手術は8時間以上かかる開腹手術、病原巣はもちろん、その周囲にある、肝臓は2/3、膵臓も1/3、胃も1/3ほど切除します、胆嚢は状態を見て残すかどうか決めましょう(胆嚢のなかに泥みたいなのがあるので)、周りにあるリンパ節はほぼ切除する方向で考えています、術前の検査は終わっているので、入院、手術日が決まったら連絡します、
と、一通りの説明が終わりました。

夫がどんな気持ちで聞いていたかはわかりません。
彼の顔も見れなかった。
私はとにかく涙が止まらなくて。
泣きながら退院の荷造りをしていたら看護師さんに
「もしよければもう一晩泊まっていきませんか。大丈夫ですか」
と、声をかけていただきました。
でも、私は家に帰りたかった。この先、手術を受けたら3週間は入院してないといけないから、一刻も早く家に帰って子どもたちの顔が見たかった。
涙は止まらなかったけど、今のうちに泣いておこうと思った。

帰る間際に、教授が挨拶に来てくださった。
柔らかい雰囲気の先生は
「大丈夫、手術ができるから。生きたいって思う気持ちがあれば、大丈夫。」
と、声をかけてくれた。

『生きたい』
本当にそう思う。私は生きる。
生きて生きて、子どもの成長を見続けるんだ。

そう決心して、その日は退院しました。
帰りの車の中で、夫は何も言わなかった。
私は『生きる』宣言をしたのでした。


kira


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