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戦争を知らない私と娘たち



私は戦時下を体験したことのない、知らない30代だ。
もちろん、学校の授業では歴史として、過去として、学んだ。

祖父母は父方も母方も、もう四人ともいない。
四人とも、戦争体験者だった。
子供の頃に祖父二人が亡くなり、祖母二人も私が成人を過ぎた頃に亡くなった。
今はちゃんと話を聞いておけばよかったと思うこともある。

一度だけ、母方の祖母に聞いたことがあったけれど、祖母は「話したくない」と一言だけ答え、背を向けキッチンへ行ってしまったことを覚えている。

小学生の頃、夏になると火垂るの墓がテレビでやっていたと思う。
それを見て、怖かった記憶がある。

母と二人で沖縄に旅行した際に、ひめゆりの塔にも行った。
展示資料館を見て回りながら、見るに堪えず、怖くなって、母にもう外に出たいと頼んだことも記憶してる。

子供の頃、戦争の形跡が残るものを見るのは怖かった。

大人になり、ドラマや映画を見て、分からない部分を調べるようになった。
習ったはずだが、記憶に薄い部分を少しずつ、何かのきっかけで調べるようになり
あの時代に自分がもしも生まれていたらと考えると、とても怖くなった。

理屈抜きに、戦争なんていらない。
今を生きる人たちの大半がそう思っているだろう。

まさか、この時代に。
こんなにも激しい戦争が起きるなんて、想像すらしていなかった。

子を持つ親となった今、
子供たちにこんな体験なんてさせたくないと思うのは
世界共通の親の気持ちだろうと思う。

これ以前にも世界では戦争も紛争もあったはずだ。
けれど、ここまでの危機感を持ったことは、恥ずかしながらなかった。

毎朝、いつも流すニュースで戦地での出来事を見て
夜は、ずっとテレビなんて見ていなかったにも関わらずニュースを2時間流すようになった。

3歳の次女は朝食を食べながらウクライナで起きていることをジッと見ている。
そして、「ママ、なんでバンってなったの?」と爆撃の映像を見て聞いてくる。

私はなんと答えていいか、わからなくなる。

「変な大人が悪いからだよ」そう言うと
「悪いね!〇〇がキックしてあげる!」と強気に答えてくれる。

9歳の長女は、なんでこんなことが始まったのかを聞いてくる。

私はまたなんと答えていいか、わからなくなる。

「頭の古いおじさんっていうのは、過去の栄光に縋りたくなるものなのかな」と答えると
「そんなに戦いたいなら、人に迷惑かけないで自分だけで行けばいいのに」と軽蔑した表情をテレビに向けながら言われた。

子供だって、こんなことしてはいけないと知っているのに。

現地にいる方たちの不安や疲労はわからない。
まだ寒いだろう土地で、1ヶ月も。
そこで、ただ、普通に、生活をしていただけなのに。

いつ、どんな形で終わるのか。
それすら、怖い。

もしも、日本で同じことが起きたら。
私はどうするのだろう。
どう、子供たちを守るんだろう。


一刻も早く、争いが終わりますように。
日常に戻るには、どれだけ時間がかかるのか、わからない。
けれど、空襲警報が鳴らず、シェルターに隠れることも不要な日が早く来ますように。

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