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アイスランド旅行記⑫ハットルグリムス教会

前回までのあらすじ

アイスランド旅行2日目。レイキャビク観光は、市民の憩いの場(と勝手に命名)、チョルトニン湖からスタート。今回は、レイキャビク随一の観光名所『ハットルグリムス教会』の思い出をたっぷりの写真とともにお届け。

ハットルグリムス教会とは

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「Hallgrímskirkja」(ハットルグリムス教会)は、アイスランドで最も大きな教会、且つ一番高いと言われている建物。
「一番高い建物が教会」というのも、アイスランドの魅力のひとつだろう。

公式ホームページはアイスランド語で書かれているため、google翻訳してみた。

「ハットルグリムス教会は国内最大の教会で、レイキャビクの中心部にそびえ立っています。74,5メートルの塔からは、レイキャビク全体、周囲の山々、西にグリーンランドと南北アメリカに広がる海の素晴らしい360度の景色を眺めることができます。このため、タワーはレイキャビクで最も訪問された観光地の1つです。」
ふむふむ。

そういえば、この旅行記のプロローグに使っていたのは、ハットルグリムス教会の写真でした。

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↑横から見るとこんな感じ。奥行きのある部分が、教会内部の椅子が並ぶ空間。

旅ノートには、当時大学の図書室にあった唯一のアイスランドについてのガイドブック『地球の歩き方』をコピーして貼っていた。
(アイスランド単体のガイドブックというのは数が少なく、北欧など数カ国で一冊という物が主流だったと思う。)
ハットルグリムス教会のページには、「ゴシック建築のような派手さはないが、天高くそびえるシンプルで独特な形をした鐘楼が印象的な近代建築だ。」と書かれていた。それにしても、節約のためとはいえ一世一代の旅にガイドブックすら買わなかった私って…

74.5mというのは、日本で考えれば高層タワーのランキングにも入らない。「そのへんのビルの方が高いよ」という感じだけど、他に高い建物が無い場所で見上げると、ものすごく高く見えるから不思議だ。

Leif Erikson(レイフ・エリクソン)

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教会の正面にそびえ立つ、存在感溢れる銅像。
彼の名前は「Leif Erikson」(レイフ・エリクソン)。アイスランド生まれのノルマン人航海者で、西暦1000年前後にヨーロッパ大陸から海を渡ってアメリカ大陸に史上初めて到達した人物。

一般的に、最初にアメリカ大陸を発見したのはコロンブスとされているけれど、ウィキペディアによれば『当時は地理上の発見を行ったものが主権を宣言する慣行もなかった上、定住化も失敗に終わったためアイスランド人による領有もなされなかった。そのため、レイフ・エリクソンを「アメリカ大陸の発見者」と扱うことはあまりないのが現状』ということらしい…。

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それにしてもこの銅像、かなりセンスが良いと思うのは私だけだろうか?

千年以上前にこの地からアメリカ大陸に渡った人がいたなんて。日本から一人でやって来た私は、彼の冒険に親近感を抱いてしまい(筋違いもはなはだしい)、なんだか感慨深くなった。

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↑教会の外壁は、近くで見るとこんな感じ。

エリクソンの銅像が立つ広場は、観光客がたくさんいた。アイスランドに来てから、こんなに人が集まっているのを見たのは初めてだった。

教会内部の様子

広場を進んでいくと、教会の入り口を発見。早速中に入ってみる。

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真っ白な壁に、高い天井。一歩踏み入れただけで、厳粛な雰囲気が伝わってきた。

入り口側を振り返ると、巨大なパイプオルガンが。夏季にはコンサートも行われているそう。私はパイプオルガンが好きなので、ぜひ聴いてみたかった。

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真下から見上げると大迫力!!

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小さいオルガンもあった。横には、「しーっ」のポーズをした顔の看板が。「お静かに」ということだろうか。このポーズは世界共通なんだな。

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廊下の壁には、アートのようなものも飾られていた。何かの展示が催されていたのだろうか。アイスランド語は全く勉強せずに来てしまったので、紹介文のようなものが読めない。
アイスランドは英語がほぼ100%通じると聞いていて、実際に会話は英語で問題無かったのだが、街中の看板などの文字はアイスランド語が主流だった。地元の情報を得るにはアイスランド語が不可欠だと分かり、少し後悔した。

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展望台は有料になっている。ここは食事を削ってでも昇りたいと決めていたので、カウンターへチケットを購入しに行く。値段は900アイスランドクローナ。日本円で800円くらい。

↑当時のチケットは、大切に持ち帰った。番号も書かれているのがなんとなく嬉しい。

チケットを買ったら、展望台行きのエレベーターに乗って一気に上がっていく。私が行った時はそれほど混んでおらず、あまり並ばずに乗ることが出来た。

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展望台からの景色


さて、展望台からの景色は…

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う〜〜〜〜ん、曇っている……。

この日は霧が立ち込めていて、残念ながら遠くまで見渡すことが出来なかった。本当なら北大西洋の海が見渡せるはずだったのだが、手前側半分くらいの街並みしか見えなかった。

しかし、それでも絵本のような街並みに感動し、ここまで登って来れたことに達成感を得られた。周りの観光客が皆「霧がすごい!」と笑っていたのも含めて、非常に良い思い出になった。

(もしこれを見ていて本来の見晴らしが気になる人がいたら、リトリップをご覧ください。)


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エリクソンを入れて撮ってみた。

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反対側はこんな感じ。

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特に意味も無く撮った柵。この高さからは、霧しか見えない。笑

一人旅だと、こんながっかりポイントも一人で噛みしめなければいけないのが、悪いところであり、良いところでもある。
この日私は、もしかしたら霧が晴れるかも…と期待して、しばらく展望台の上で粘ってみた。もし友達が一緒なら、「晴れる保証もないのに立ち尽くして待つよりは、下に降りて他の楽しみを見つけよう」となっていたと思う。それも一つの楽しみ方だ。ただ、自分は必要以上に人に気を使ってしまうタイプなので、相手の疲労度や行きたい場所を常に考えて顔色を伺ってしまう。同行者がいないと、「全然見えないじゃーん!」と笑い合うことが出来無いのは寂しいが、自分のタイミングで動けるのは一人旅の良さだ。

結局霧は晴れなかった。納得するまで待ったので、後悔無く下へ降りることにした。

教会を出たところで

エレベーターを降りると、お土産物屋さんがあった。私は確かこのときポストカードを買ったと思う。でも手元に無いので、おそらくメッセージを書いて誰かに送ったのだろう。

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教会の外に出て、広場へ戻った。エリクソンの像を後にし、横断歩道を渡って一本先の道路に行く。
そこで、アイスランドに来て初めて日本人に遭遇した。両親と中学生くらいの少年の3人家族のようだった。横断歩道を渡って教会へ向かおうとしている。少年がリュックを背負っていて、なんとなく賢そうに見えたのを何故か覚えている。家族旅行でアイスランドかぁ。家族3人でアイスランドは、相当お金がかかる筈だ。ちゃんとした家庭なんだろうなぁ、と勝手に思った。
私は家族旅行で海外に行ったことなど一度も無いので、なんだか羨ましい。彼らとは言葉は交わさなかったものの、ずっと異邦人のような気持ちで過ごしていた私にとって、日本人家族とすれ違えたことは奇跡のように感じた。彼らの後ろ姿を忘れることは恐らく無いだろう。

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日本人家族を見かけたのは、ちょうどこの写真を撮った場所あたり。4年経っても覚えている。

展望台からの景色は少し残念だったものの、たっぷり滞在して有意義な時間を過ごせた。目的の観光スポットは回れたので、この後は日没までぶらぶらレイキャビクを散歩することにする。

次回、海辺まで歩いて2日目が幕を閉じます。


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