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その一歩の先には、想像を超えた世界が待っている

「この読書会で偶然出会い、対話を共にした人たちが、今後どんな風に関わり合う可能性があるのか。まだ全然わからないし、それについて考えるところまでは手が回っていない。だが、参加してくれる人が変わりながらも、続けてやることに大きな価値がありそう。直観的にそう思う。たとえば、月イチで1年続けたらどうなるだろうとか、みてみたい(やっっちゃおう)。」


というのが、セレンディピティ・ブックス・ダイアローグのナビゲーター講座を受講し、初めて自主開催をして思ったことでした。今日はそのことを振り返って、感じたことや考えたことを書いてみようと思います。



セレンディピティ・ブックス・ダイアローグ(SBD)の魅力


SBDってどんなことやるの?という方、こちらの記事に簡潔にまとまっています。

ここから一部を抜粋したり僕なりの視点を加えて、その魅力について短めに書いてみます。


セレンディピティとは、予期せぬ偶然によってもたらされた幸運や、ある特定の何かを探しているプロセスの中で、求めているものではない別の価値あるものを偶然に発見する力を意味します。

タイトルを知らされず、公開される3つの目次だけから読む本を選ぶと、いつもの自分では絶対に手に取らないような本から知の冒険が始まります。

本との偶然の出会い、そして他の参加者との出会いもセレンディピティと言えるかもしれません。


対話を通じて、他人と価値観や発想を分かち合うのもSBDです。セントラル・クエスチョンやセレンディピティカードのキーワードについて参加者同士、これってどういうことだろう?とそれぞれの思うことを聴きあう。

なんだか、一品持ち寄りパーティーみたいなところもありそうです。お互いの料理という表現を味わったり、誰かの焼いてきたパンと他の誰かのスープを合わせたら抜群においしいみたいなことがあちらこちらで起こっている。そんなイメージがあります。


安易に答えを求めたり選択するのではなく、表面にはまだ見えていない「意味」を探りながら、共に自分や自分たちの解を見出していくことは、とても必要な力になります。


SBDを創る、それはどんな過程だったのか


ナビゲーターが考えるのは、「セントラル・クエスチョン」と「セレンディピティカード」。

たった2つですが、それらを決めていく過程はとてもクリエイティブで複雑で抽象度も高いので、自分にとってはチャレンジングでしたが、だからこそのおもしろさも感じました。


読書会の数日前、ナビゲーター講座でたてた問いを変えました。

同じようなトピックだけど、3週間くらい熟成させたことで、より磨かれた問いになった気がしました。

もちろんずっと考えてるなんてことはないんだけど、いつも頭の隅っこに漂わせていると、そういうことが起こります。


おそらく、最初に問いを立てたときからこれまでのあいだに吸収したことや昔の記憶が呼び覚まされて、ふわっと浮かんでつながる、そんなことが起こっています。


また、セレンディピティカードをつくるのは、ある意味僕から参加者の皆さんへのギフトだなあと思います。

こんな人たちに参加してもらいたいというペルソナがあり、そのペルソナが面白がってくれたり興味を持ってくれるような本やキーワードはどんなものだろう?と想像をめぐらせる。

これはまさに、人に贈り物をするときに考えていることと同じだと思います。第一に相手が受け取って嬉しいものが何かを考えて、そこに自分にしかあげられないというオリジナリティも加えられたらなお素敵、そういう感じ。


それを受け取る側からすると、気になるものをいくつも目の前に並べられ、結局どれか1つしかもらえないという、なかなかの代物ですが。笑


場づくりという観点


今回SBDを開催するうえでやはり常に頭にあったのは、「セレンディピティってどうやったらできるかな?」ということでした。


お誘いをするときも、これがなきゃ出会わない人たちが出会ったらいいなあと思いながら声をかけさせていただきました。学生と社会人ぴったり半分ずつ集まっていただくことができ、初めまして同士の人が結構いてくれたのもよかったです。


小説や映画であるような、カフェやバーや街中での偶然の出会いに漠然とした憧れを抱いていて、そんな出会いが生まれる場をつくってみたいと薄々思ってたけど、そういえばこれそうじゃん!と終わってから気がつくことができたのも嬉しかったです。


一方、初対面でしかもファシリテーターなしの対話が、どうしてここまでいい感じになるのか、それも気になります。

集まっている人たちが持ち合わせている素質や、セントラル・クエスチョンの存在がキーなのかな?と考えたりしますが、もしかしたら今後の個人的な研究テーマになるかもしれません。



メインファシリテーターという挑戦


最後に、読書会が終わって一番最初に感じたことを書いて終わりたいと思います。

「無事にできた&みんな楽しんでくれたでホッとしてる。支えてくれたみなさんほんとにありがとう。」

それが正直な第一声でした。


最後の感想を言ってもらうところで、参加者のみなさんの表情がいい感じにほくほくしていて、それが何より嬉しかったかもしれません。


無料開催ではあるものの、自分の作った題材で2時間メインファシリをする、という初めての挑戦で、だいぶ緊張しました。

N高のワークショップでTAをしたりしていて、メインファシリを横で見ていて大変だよなあと頭ではわかっていましたが、やはり自分の体でそれを実感するとしないとでは大違いだと思います。


余談ですが、こういうのって大体は慣れれば平気みたいなものだよねと、なんとなくわかっているのは小学生の頃歯医者の予約を手伝ってくれなかった両親のおかげかもしれません。笑


何はともあれ、関わってくれた人全員に本当に感謝です。

参加してくれたみなさん、事前にも当日にもサポートしてくれた井上真祈子さん、ナビゲーター講座でご一緒したみなさん、当日の運営を手伝ってくれた彼、みんなが温かく支えてくれて実現できたことだなあと感じます。



今後も続けたい


ありがたいことに、今回日程が合わなかった方もSBD面白そうと興味を示してくださった方がたくさんいました。自分自身いろんなバージョンをつくってみたいし、今回やってみて気づくことがたくさんあったので、続けて開催していくつもりです。

中学生や高校生、あるいはおばあちゃんおじいちゃん対象にもやってみたいし、国とか、あらゆるボーダーを超えてやってみるのが理想です。

興味のある方はぜひご連絡をお待ちしています。

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