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同人経験0の2人が文学フリマに参加するまで(準備・本作り編)

何からやればいい?

前回、僕は文学フリマに参加することを決めた。
しかし決めたが何をすればいいのかさっぱり分からない。まずはWEBカタログに載せるものを一つ一つ決めていくことにする。

サークル名

最初にして最大の関門じゃなかろうか。
インパクトも大事だが、あまりに変な名前で参加すると後々死ぬほど面倒で、恥ずかしい思いをすることになるし、かと言って無難だと埋もれてしまう。いい塩梅を見つければいいのだが、それも中々難しい。
結局悩みに悩んだ挙句、自分の個人アカウント名の「きりん」に「堂」をくっつけて本屋っぽくした「きりん堂」というサークル名が爆誕した。
後で変えればいいやと思って、結局今現在まで変わっていない。個人的にも気に入ってるので、まあいいかなと思っている。

メンバー

これはもう決まっていた。僕(結城倫)と馬場ナナさんだ。先日の文学フリマ東京後に聞いてみたところ、いいよ!と即答してくれた。高いクオリティの絵だけではなく、文章も書けるので、大車輪の活躍をしてくれるだろう。
船頭多くして船山に上るともいうので、とりあえずは2人で始めることにした。

ホームページ

これが一番の難敵だった。HTMLベタ打ちで作るサイトは遥か昔に終わった。今どきはレンタルサーバーを借りてWordPressでページを管理・編集するのが一般的だ。ぶっちゃけた話無くてもいいかなと思ったが、過去作をまとめたり、TwitterやInstagram、そしてBOOTHなどへの導線としてあって損は無いかなとも思った。
さてサーバーはどうするかと色々調べたが、安くてドメインもついてくるNetowlのスターサーバーにした。WordPressで使うテーマはyStandardに決めたが、後々Sydneyに切り替えた。編集のしやすさはどちらもトントンといった感じだが、見た目・編集のしやすさで決めてしまってもいいと思う。
適当に弄って体裁を整え、それっぽくしておいてホームページのURLを出店者紹介に貼り付けた。

Twitter

最初は結城の個人アカウントを貼っていた。けれどもよくよく考えたら、それを代表アカウントとしてしまうことで、色々な息苦しさ(別に反社会的なことをつぶやいているわけでもないのだけれども)が出てきてしまうのでは? と数ヶ月経った頃に気が付き、慌てて代表アカウントを作成した。メンバーと共有するかどうかは自由だと思うが、共有しておいた方が色々と楽である。宣伝とかのつぶやきを分担できるし。

Instagram

写真という視覚的な部分で訴えるメディア。うちは表紙というかイラストが売りな部分も多いのでそういったモノで売り込むために作った。またTwitterにはいない層の新規開拓という点で優れている。イメージ的な訴求は印象にも残りやすいので、小説とは意外と相性が良い。

紹介文

最大150文字でツイッターとほぼ変わらない分量。あまりつらつらと書き込んでも読みにくくなるだけなので、サクッと思いついたままに書き込む。あまり真面目に書いてもつらいだけ。

本を作ろう

色々基本的な事は決めた。あとは本を出すだけだ。
ここでは色々検討してきた結果を適当につらつらと書いていくことにする。

そもそも小説作れます? カバー付けてくれます?

最近の同人印刷所では、小説本の印刷を行っているところは多い。なので選択肢は結構広い。しかしカバーをつけようと思うと話は別だ。と、いうのも小説は刷れるがカバーは付いていない、もしくは別注文というところが意外に多い。そしてそのカバーも自分で手巻きしなくてはいけないという印刷所もある。そういった所を除いて印刷所を選定していった結果、2つの印刷所が候補に残った。栄光STARBOOKSだ。

栄光かSTARBOOKSか

これは大分悩んだ。まず栄光は以前注文した際、仕上がりがとてもよかった事が印象として残っていた。前回ちょろっと書いていたが、僕は自分の本を作っていた。その際印刷を依頼したのが栄光だったのだ。僕が文学フリマに行くきっかけになったナカスエスアさんもここで本を印刷していて、最初の印刷所としておススメされた。その選択は間違いではなく、非常にキッチリとした仕上がりのものが仕上がってきた。対応もしっかりとしていて非常に印象は良い。
ただ、印刷料金は若干高め。割引もノベルセットは割引率が低くなったりしているので、色々と渋めだった。
一方STARBOOKSは早割なら料金が馬鹿安くなるし(2022/11/21現在では最大9300円引き)、背幅もページ数を決めた時点で自動的に算出してくれる。テンプレートもしっかりしている。また加工や用紙も豊富だ。
正直かなり悩んだ。仕上がりを知っているが高めの栄光か、安いけど未知数のSTARBOOKSか。
結果としてはSTARBOOKSに軍配が上がった。早割が魅力的だったのと、あと単純に印刷所を色々試してみたかった。それだけの理由である。たくさん加工も出来て用紙も選べるというのも魅力の一つではあったが、そこはあまり重視していなかった。

終わらない本作り

印刷所は決めた。入稿予約もした。さあ書き始めようと、僕たちは意気揚々と文章作成に取り掛かった。
今回はテーマを決めて、それに沿った話を書くという縛りで進める。テーマは「真夜中」と「風船」。なかなか作りやすいテーマではあると思ったのだが……そう簡単にはいかなかった。
と、言うのもお互いに仕事が忙しい期間に入ってしまい、それどころではなかったのである。よって当初から予定していた35000字程度の短編は中々書けずじまいであった。
さらに大変だったのは表紙絵の作成である。馬場ナナさんが担当していたのだが、前述の通りの忙しさに加えて「夜を泳ぐ」というタイトルに合ったイメージを中々作成できずに苦労していた。何回も夜遅くに打ち合わせを重ねて、結局仕上がったのは最終締め切りの1週間前。締め切りも2回延長し、結局早割は8500円から900円引きまで少なくなった。よって最終的にはあまり栄光と金額は変わらなくなってしまった。
データに不備はなく、順調に入稿→印刷。直接搬入なので、あとは当日を待つだけになった。

WEBカタログも作らないとねえ

入稿を終えて仕様が固まったら、WEBカタログの準備だ。
文学フリマにはWEBカタログなるものが存在している。販売する冊子の概要とか表紙を載せて、WEBカタログで自分たちのブースに興味を持ってくれた人に訴求するものだ。「SUMMER DAY DREAM」の方はすぐに書けたのだが、「夜を泳ぐ」の紹介文に苦戦した。短編なので分かりやすい内容を短くまとめて書かなければいけないと思っていたので、大分文章を考えた。
しかし結局、小難しいことを書かずにザックリとした内容を載せるだけになってしまった。ここの反省は次回に活かしていきたい。

本作りが終わった後はPOP・配布物作り

本作りが終わった後は適当にPOPを作った。

表紙データがあればPhotoshopでサクサクっと作れてしまうのでいい感じだ。イラレで作るのもいいのだけれど、やはりadobe税が高いので……。
反省点としては、少し情報量が足りなかったと思う。もっと文字を小さくしてもいいので、情報を詰め込むべきだった。
それ以外にも小さい値札を作ったり、ブースの位置を書いた紙を作ったり。こういう作業は嫌いではないので楽しみながら作ることが出来た。
ただ……1番しんどかったのは無料頒布冊子の製本作業だった。
僕たちは初出店という事もあり、挨拶代わりの一本が欲しいと思っていた。そのため、普通100円で売るようなコピー本を無料頒布することに決めた。幸い文章自体は馬場が昔書いた1万字くらいの掌編があったので、それをテンプレートに流し込み、セブンイレブンで20pのコピ本を50部印刷した。
そしてそれを折って縦留め出来るホチキスでパチパチと留めていく作業をしたのだが、不器用な自分にとっては大分難しい作業だった。時々ズレたりなんだりして、不格好なコピ本が何とか出来上がった。
そして最後に悩みに悩んだ挙句、直前に発注したのが名刺である。ラクスルのフリーレイアウトでサクサクと作り、文フリ開催週の水曜発注→金曜着のぎりぎりを攻めた。出来た名刺はこんな感じ。

こうして頒布物の準備も完了した。後は当日を待つのみ。

同人経験0の2人が文学フリマに参加するまで(本番編)に続く。


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