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ガンジス川沐浴に挑戦しようとしている旅人へ

インドへ訪れたら、ガンジス川に入りたい !

そう思っている旅人は多いだろう。

私もそのうちの1人だった。

水質汚染が凄まじく、川に入るには危険ということも
事前に調べていた。

だが、私はなんのためらいもなくガンジス川に入った。

自分の強靭な身体がガンジス川ごときで侵されるなんて
思ってもいなかった。

胸元あたりまで浸かって、
現地の子供たちとぴちゃぴちゃ川遊び。

これで自分の身体も過去も浄化された。

新生自分、生まれ変わったのだ。

次元上昇しているに違いない。

そう確信した。

翌日、高熱を発症。

強靭の身体の持ち主だと信じ込んでいたは私は、
あっさりとガンジス川に完敗した。

電車の予約をしていたので、高熱のまま
長時間の夜行列車で過ごさなければならなかった。

インドで最も暑い時期に訪れていたため、
最高気温は40度以上。

高熱のまま、冷房もない車両で過ごす。

窓が全開なため、砂埃が容赦なく入ってくる。

本当に地獄だった。

日本から持参していた風邪薬は全く効かず。

高熱のまま長時間移動して、ようやくたどり着いた宿で
横になる。

今度は下痢がおさまらない。

早急に病院へ行くしかないと思い、現地の病院へ。

朦朧とした意識の中、診察を受ける。

「ユー ハブ メニー バクテリア。 
(You have many bacterium.)」

とインド人ドクター。

ありとあらゆる穴から菌が入ってきたのだろう。

インド着いて早々、インド人に何度か騙されていたため、
インド人も病院も信用できなかった。

しかし、なんとか症状がおさまってほしいという思いでいっぱいだった。

図太い注射針の点滴が目の前に用意される。

どんな液体を入れられるのだろうか。

誰もいない病室で、1時間ほど点滴を受けた。

病室の壁にはタージマハールの写真が飾られている。

当初、タージマハールへ行く予定だったが、
断念し、安静を優先した。

皮肉にも病室でタージマハールをみて
終わることになるとは思いもせず。

点滴が終わり、症状は回復。

下痢も高熱もすっかり治まった。

ガンジス川に入ったことに後悔はない。

ただ、もう一度入るかと言われれば疑問だ。

またインドを訪れることがあれば、
よくよく検討したい。


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