前髪を伸ばしてみることにした
人生初の試み、前髪を伸ばしてみることにした。
これまで私には前髪が必ずあった。
前髪をなくすという行為は私にとってかなりの挑戦。
これまで前髪が目にかかっている人を見て、とてもうっとうしく思っていた。
前髪がちらちら目に入って不快だろうから、バッサリ切ればいいのにと思っていた。
女性でも前髪が長い人がいちいち耳にかけている行為をみて少しイラついていた。
耳にかかっていたはずの髪がパさっと前に落ちてきて、そしてまた耳にかける、という行為を何度もみていると、ピンでとめるかバッサリ切りやがれと思っていた。
米津玄師さんや川谷絵音さんなどの前髪が長いアーティストをみていたら目のまわりが不快ではないだろうかと気になってしまっていた。
髪型くらい個人の自由なのだが、見ているこっちが前髪が目に入ってチカチカする感じがするのだ。
私は2カ月に1度、必ず美容室に行っていた。
前髪ももちろん毎回切ってもらい、「まゆげの高さで」と同じ注文をしていた。
そして、無職をきっかけに美容室に行くのがめんどくさくなり、ここ数カ月行っていなかった。
正直、どうでもよくなった。
仕事もしていないし、特別な誰かと会うわけでもないし。
2カ月以上美容室に行かないのはずいぶんと久しぶりだ。
前髪もまあまあ伸びてきて、なんとなく切るのがもったいなく感じてきた。
前髪に愛着をもってしまったのだ。
前髪が伸びて前髪がなくなってしまうのもいいかもしれない。
そろそろ無職を卒業するので、心を入れ替えるためにも美容室に行くことにした。
前髪は伸ばそうと思うので切らないでください、と伝えようと思う。
前髪なしのボブヘア。
前髪を伸ばすことで未知の自分に出会えるのではないかと心躍らせている。
女の色気があふれてくるのではないかと、とてもわくわくしている。
イメージは長澤まさみさん。
長澤まさみさんの絶壁バージョンになれるはずだ。
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