先生の脇汗が気になって話が入ってこなかったあの頃
夏になると教室は窓全開で下敷きやノートで
パタパタと仰ぐ生徒たち。
授業中にパタパタ仰いでいると、
「パタパタしない!」と先生が注意してくる。
先生は熱心に授業をしているもんだから、汗もかき、
頻繫にハンカチで額や首の後ろの汗をふき取っている。
勿論授業中なので、シャツの中から胸元や脇下を
ハンカチでふくことは出来ない。
しかし、容赦なく汗は流れ出ている。
黒板に書かれた内容を説明するために、
上体を無駄に動かし熱心に説明する。
両腕が上がるたびにシャツに滲んだ脇汗が気になって
しょうがない。
時間がたち、先生の話がヒートアップするたびに
脇汗の面積が大きく広がっている。
絶対に脇に目を向けないように意識しても、
やはり見てしまう。
全く授業の話が入ってこない。
テストで赤点をとったことがある。
先生の脇汗が原因に違いない。
あの時、先生に正直に伝えるべきだったか。
授業が終わり、先生が教室を出たタイミングで
駆け足で先生に歩み寄る。
「先生、非常に言いにくいことなんですけど」
と私が言いづらそうにするもんだから、
先生はてっきり愛の告白かと勘違いしてしまい、
人がいないところに私を連れて行こうとするかも
しれない。
余計な前置きはしないほうがいいか。
「先生、授業の内容が全く入ってこなくて。
というのも先生の脇汗が気になってしまうんです。」
それとも、
「先生、今度から脇汗パットつけていただけませんか?」
単刀直入に言った方がいいだろうか。
先生、この問題どう解決したら良かったでしょうか。
教えていただけると幸いです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?