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強烈なビンタを食らった日

中学の時、学校がある日はバスケの朝練があった。

朝早くから、寝起きの体を無理やり動かす。

いつも通り、練習をこなす部員たち。

すると、急にキャプテンが練習を止めた。

鬼コーチに対する不満や怒りを吐露し始めたのだ。

鬼コーチが朝練に来ないことが不満だったらしい。

他の先輩たちもキャプテンにのっかって、
次々に不満や怒りをもらしている。

1年生の私たちは黙って聞いているしかない。

「こうなったらボイコットしようよ」

キャプテンがそう言い出した。

鬼コーチに対する不満と怒りを吐き出し、
先輩たちは体育館からいなくなった。

先輩全員で学校の授業も出ず、
どこかへ行ったらしかった。

1年生である私たちは何も知らないふりをして
いつも通り授業にでる。

午前の授業が終わっても先輩たちは
学校にいない様子だった。

『この状況だったら、今日の練習はないな』

思わず顔がほころぶ。

地獄の練習が休みとなると、これほど嬉しいことはない。

午後の授業が終わっても先輩たちは
学校にいない様子だった。

私たち1年生は鬼コーチに呼び出された。

バスケ部に入部した当初、新入部員は20人くらいいた。

ハードな練習に遅れをとるまいと、
みんな死に物狂いである。

そんな中、ある1年生の部員が練習中に
突然いなくなった。

それに気づいた鬼コーチ。

その他の部員はハードな練習に必死に食らいついている。

突然消えた部員が体育館に戻ってきた。

激怒した鬼コーチが練習を止め、その子に問い詰める。

「勝手にどこに行ってた!?」

体育館に怒号が響く。

「ちょっと吐きそうになって・・・」

と部員。

鬼コーチがさらに怒鳴る。

「コートで吐けぇぇぇ!!」

それからというもの、その子は練習にこなくなり、
やめてしまった。

鬼コーチと地獄の練習に耐えきれず、
次々に新入部員はやめていく。

最終的に残った新入部員は私を含め8人だった。


事務室へトボトボと向かう8人。

事務室の中へ入る。

恐ろしい形相をした鬼コーチがいる。

そして、驚愕の一言を放った。

「歯を食いしばれぇぇ!!」

そう言い放たれた直後、

「バチンッ!」

一番端にいた部員がものすごい勢いでビンタされた。

ビンタの勢いでよろけている。

状況を瞬時に察し、さらに歯を食いしばる。

続けてその隣、その隣、とリズムよくビンタされる音が
響く。

「バチンッ! バチンッ! バチンッ! バチンッ! 
バチンッ! バチンッ! バチンッ!」

8人分のビンタが事務室に響いた。

私たちはこっぴどく怒られた。

とんだとばっちりだ。

先輩はその日、無事、全員戻ってきた様子だった。

言うまでもなく、先輩たちもビンタを食らっただろう。

それからというもの、
練習はさらに地獄と化したのであった。


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