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人事構想の大切さ~タカラヅカに学ぶ~

お読みいただき、ありがとうございます。

最初は毎日noteを書こうと意気込んでいましたが、やはり毎日の仕事(ほとんど在宅ですが)が忙しく、せめて1週間に1度は書こうとペースを見直ししています。

組織・人事コンサルティング業をしている私。実は昨日は会社は休みだったのですが、週明け(月曜日)に顧客とのオンラインミーティングがありそこで議論する資料作成のために、予め休日勤務を申請して、自宅でほぼまる一日、仕事をしていました。今日はその中で考えたことを書いてみます。

高年齢者の人事

ある企業のコンサルティングで進めているプロジェクトのテーマの1つが「高年齢者人事制度」です。定年を迎え再雇用となった社員の処遇をどうするか、定年延長に踏み切るべきか、処遇を変更するための原資をどう考えるか、などなど多方面からの検討が必要です。これまでも数社このテーマでのコンサルティングを行ってきましたが、簡単には「これで解決」とはいかない難しいテーマの1つです。

そして今回もそうなのですが、「管理職で定年を迎えても後継者が育っておらず、定年後も(給与を下げてでも)引き続きやってもらわないと組織が維持できない」という事例が、最近増えているように思えます。

その原因は何なのでしょうか?

次期後継者を育てる余裕がない

きちんとしたデータやファクトはさておき、感覚的な傾向としてあげられるのは、
・課長クラスの多くがプレイングマネージャーで、部下を育てる余裕がない
・会社(人事)も個別にフォローする余裕がない
・そもそも管理職になりたいと思う人が以前に比べ少なくなっている
といったことです。

これをお読みの管理職の皆さんは心当たりありませんか?

5年先の人事構想を練る

このような傾向が続くと、先の定年退職の場合のように、イザ後継者が育っていないから、再雇用社員にも引き続きお願いせざるを得ない、という事態に陥ってしまいます。それが続くと、管理職人事が固定化し、組織自体が硬直化しかねません。

そこで「5年先の人事構想を練る」ことが必要となるのです。すなわち、定年退職が60歳の場合には、その5年間55歳の時には会社と当事者とその上司が話し合いを持ち、5年後は誰を後継者にするべきか、めぼしをつけておくことが必要です。そして経営者はその後継候補者をふまえ、全体の人事構想を練る必要があります。

「そんなことは百も承知で考えているけど、思うような後継者が育っていないんだよ」という声もあるかもしれません。

だからこそ、早くから育てる必要があるのです。育成期間が5年あれば、いろいろと手を尽くせば手立てはあると思うのです。他部門からも幅広に候補者を選定、ターゲット社員には研修機会を設ける、管理職会議にオブザーバー参加させる(これは自他ともにオープンにするのが前提ですが)、マネジメントの一部を委譲する、などなど。

と昨日はせっせと資料を作っていたのですが、ふと「これってどこかでやってるよなぁ」と思いが至ったのが「宝塚歌劇」の人事です。

宝塚歌劇の周到な人事構想

私は自称宝塚オタク、舞台の楽しさやタカラジェンヌの舞台人としての素晴らしさを堪能するいちファンにすぎませんが、宝塚には「人事コンサルタント」という自分の仕事に参考になることがとても多いと感じます。

宝塚歌劇はご存知のとおり、花・月・雪・星・宙の5つの組があり、それぞれにトップスター&トップ娘役がいます。「誰が次期トップになるのか」はヅカファンであれば誰しも、いっぱしの評論家になって語れるくらい、話題になるテーマです。

このトップ人事については、劇団はかなり前から、場合によっては10年計画でプランを練っているはずです。

入団して数年すると「路線」といわれる、トップスター候補が劇団の推しによりファンの前に次第に見えてくることとなります。もちろん、劇団の思うとおりにはならないことも多いでしょう。思ったより伸びなかったり、予想外に他の生徒(タカラジェンヌをこう呼ぶ)の人気が伸びたり、と。

そうした構想を念頭に置きながら、公演を重ねるごとに「役」を通じて成長の機会を与える、時には「組替え」という人事異動をさせて、5組のバランス、組内のバランスをとりつつ、その中での将来の人事構想を次第に現実のものに引き寄せていくーーーその積み重ねが、105年も続く宝塚歌劇の伝統につながっている。

ビジネス面からみれば、トップの実力・人気次第で収益に多大な影響を与えるのは当然のことで、だからこそ劇団は命運をかけて、スターを育てるのです。(もちろん、ファン目線で「??」と首をかしげるような人事は、あります。)

告白しますが、私は2012年に退団した「蒼乃夕妃さん」という月組トップ娘役のファンでした。その相手役??の霧矢大夢さん(普通は逆で、トップである霧矢大夢さんの相手役が蒼乃夕妃さん!)とのトップコンビは、それまでお互い全く接点がない者どうしで、蒼乃さんが星組から月組に組替えしながらのトップコンビ結成でした。

http://archive.kageki.hankyu.co.jp/revue/correlation/j259.html

このコンビは私の人生においてもレジェンドともいえるゴールデンコンビ! そして、この二人をコンビとして結び合わせてくれた劇団には感謝するよりほかありません。

ついつい宝塚の話になると熱くなってしまい、まだまだ続きそうなので、今日はこれくらいにしておきます。本題は何でしたっけ?(笑)

企業経営の話に戻ると、管理職の後継者、特に課長人事については、5年先を見据えて会社・現課長・その上長がしっかり話ししながら候補者を選び、会社はそれをふまえて会社全体の人事構想を考えておく必要がある、というお話しでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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