【読書感想文】_恋とそれとあと全部

とってもとっても遅い投稿になってしまった。アウトプットが苦手でなまけものが理由。

今回エントリーの本、『恋とそれとあと全部』 作 住野よる。
ちなみに住野さんはとっても好き。子供の頃の懐かしい記憶を掘り起こす感覚にさせてくれる。

まずは大体のお話のあらすじを書き留めておこう。
主要な登場人物はサブレ(女)めえめえ(男)サブレのおじいちゃん、サブレのおじさん、そのおじさんの娘と母。
他にも友達とかいるけど今回の紹介はよしておく。
ある夏休み暇していためえめえがサブレに死という現象に対する疑問を解決するために自殺したサブレのおじさんのところへ行くという奇妙な旅がメイン。

お話はただ恋をするというだけでなく
死について、自分の悪いところについて、生命エネルギーついて etc…….
そんなことも触れられていた。

私は本の中で特に好きだったが、二人がお互いの悪い特性を言い合う場面がある。
この情景が浮かんでとても綺麗なものに思えた。きらきらふわふわだ。
悪いところも含めて好きみたいな話は恋愛もので良くある話、でも実際に好きになるなんてありえない。その悪いところが本当に好きなら多分それは自己暗示かもしれなくて、それはとてもつらく知らないうちに心が荒んで傷つく。
この二人は悪いことを認めて自ら受け止めるところに純情を感じた。真っ直ぐにその言葉の意味をなぞらえるように。
なんでこんなに人の言葉を真っ直ぐに受け止められるのか。簡単なようで難しい。私は人に言われたことを真っ直ぐ受け止めるなんて中学の時にはできなくなった。その言葉の奥に隠されるその人の本音を気にして。その時から何事にも心がときめかなくて自分という人の物語をテレビ越しでみてるみたいに感動が、哀しみが、怒りが、悔しさが、全ての感情が客観的なものに変換されてしまう。
「羨ましい。」
最後にはこの感情だけが残る。一番必要のないものであるはずなのに。これがあることで自分が不幸になることはわかっているはずなのに抱いてしまう醜くて気持ち悪い感情。
そう考えていつも自己反省発表会が開演するのだ、もはや改良の余地がない、この問題を片付けるにはどうするか、最近は無理心中が最善策な気がしてる。

間違ってほしくないのは私も彼らと同様にこういう性格が悪くて認めている(認めたいのがまだ強いかも)。これがもう自分なのだと。そうしないと崩れるというのもあるけれど、自分の特性として認めてやろう。私はきらきらすることがもうできないのかもしれないけどそれでも肯定しようと思う。

住野さんの作品は読み終わりは読了感に溢れて清々しくなる。
あと、綺麗な人を描くのが上手い、心が純でできていて誰もがこの人のようになりたいと思えるようなそんな人が毎作に一人は必ず現れる。
そんな人を探していくのが好きだから住野さんの作品を読むし、人生を歩んでいるのかもしれない。


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