伊藤忠岡藤正広さんが「ロシア産原油は大事」と正直に言って叩かれている件で
結論から言うと、岡藤さんの言ってることは正しいです。
なぜかJSFさんが引用したロシア側プロパガンダ報道機関スプートニクを持ってきて批判してましたが、元はフィナンシャルタイムズのインタビュー記事です。
日本のロシア産エネルギーの依存度はパーセントとしてみると高くはないのは事実ですが、現況の円安下での貿易収支を考えるとこれ以上割高な資源調達に国富を浪費したくないのも間違いありませんので、岡藤さんの言ってることは資源貿易をやってる側からすれば共通認識です。というか、仮に4%のシェアしかないから要らんだろとなるはずもなく、4%の需給ギャップが商品の国際取引でどれだけの価格変動を起こすのか想像してください。
伊藤忠がなんでそんな話をしとるのかと言えば、もともと伊藤忠は極東ビジネスでは結構老舗であって、中国やロシアの開発事業ではなかなかのポジションにあります。ここでまず出てくるのはロシア政府との共同開発プロジェクトでもあったサハリン1の権益を持つSODECOに経済産業省とともに出資していることが背景にあります。
ただ、それ以上に伊藤忠は東シベリア開発の元請けオペレーターとしての地位を持っており、イルクーツク石油イチョディンスコエ油田だけでなく、レンダスカヤライン、チュクチのレアメタル開発や試掘など、周辺事業でも実績を持っており、某素材の貿易ではロシアを含む調達元の75%程度のシェアを持っています。これが一気に供給停止となると、なかなか微妙なことになります。
もちろん、ロシアによるウクライナ侵略でゆっくりと投資を引き揚げたりオペレーター業務をインド資本に譲渡しながらフェードアウトしたりしている最中ですが、我が国の経済産業省の方針が上記の通りであり、その先鞭の重要な役割のひとつを伊藤忠など我が国の商社が担っていることも事実ですので、軍事面だけ見て極東資源貿易が取り組んでいる経済安全保障の枠組みを無知な世論で無意味に壊すことだけは避けて欲しいと願っています。
神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント