マガジンのカバー画像

短編小説集

99
私の書き下ろした短編をまとめたものになります。
運営しているクリエイター

#悩み

【短編⑨】言葉は脆く、されど踊る

「で、どうだった?人の心を読んだ感想は」 「もう本当に、最悪だね。本当に碌でもない力だよ…

14

【短編⑧】言葉は脆く、されど踊る

「ふぅ、疲れた……」  ガチャリと玄関のノブを引き、真っ暗な部屋の電気をつける。  片手…

23

【短編⑦】言葉は脆く、されど踊る。

「おぉ、売上が伸びたじゃないか」  加藤部長は自分のデスクに私を呼び出し、売上数字につい…

21

【短編⑥】言葉は脆く、されど踊る。

 足を踏み入れると、そこはまるでレトロな箱庭であった。  薄暗がりな照明に、クラシックジ…

32

【短編⑤】言葉は脆く、されど踊る。

 2階のアパートから階段を下り、まっすぐと住宅街を突き抜けるように伸びた道に出る。  案…

17

【短編④】言葉は脆く、されど踊る。

 その瞬間、私はベッドで目を覚ました。  窓の外ではチュンチュンと小鳥が囀り、スマホはす…

15

【短編③】言葉は脆く、されど踊る。

 その夜、私は夢を見た。  浜辺にぽつんと一人、体育座りをしながら、地平線の朝日を眺めている。  日の出の朝日は、夜の鬱屈とした暗さを取り払い、その白く輝く太陽は私に歓喜の感動を与えてくれた。  この浜辺を私は知っている。  いつの日か、美佳と訪れた由比ガ浜の浜辺だ。  ふと、頬に冷たい感触が走る。 「缶コーヒー飲む?」  そういって青い缶コーヒーが目の前に差し出された。  私は顔を見上げた。  そこには満面な笑顔を浮かべた美佳がいた。 「あぁ……ありがと」  美佳

【短編②】言葉は脆く、されど踊る。

「ふぅ、疲れた……」  私はすぐ近くのコンビニで買った弁当と安い発泡酒をぶら下げ、くたく…

18

【短編①】言葉は脆く、されど踊る。

「宮地くん。この失敗、どう責任取るのかね」  私は震える手を必死に爪を立てて食い込ませな…

16