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短編小説集

99
私の書き下ろした短編をまとめたものになります。
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2021年1月の記事一覧

静 霧一 『青いベランダの食卓』

 淡く白い温かな光が、私の瞼の裏を照らす。  リビングの窓が少しばかり開いていて、そこか…

50

静 霧一 『棋譜の庭にて、修羅と花束』

  「今日も一局、お願いしますねアメリアさん」 「ええ、いいですともカーミラさん」  草木…

40

静 霧一 『orion』

「ねぇ、オリオン座ってどれ?」 「あれだよ。あの砂時計みたいな形の星座」  僕は茜が指を…

51

静 霧一 『私は不器用な青色と生きていく』

 私は横断歩道の前で突っ立っていた。  私の目の前を傘をさした大人たちが通り過ぎていくが…

52

静 霧一『クリームみたいに愛が溶けていく』

 私はいつものようにベランダに出ると、青い柵にもたれながら煙草を咥えた。  すでに街は茜…

45

静 霧一 『優しい彗星』

 助手席で、君はすうすうと寝息を立てながら眠っている。  ときたま差し込む月光の光に、君…

41

静 霧一 『幽霊東京』

 もう1年も前のことだ。  頭の上に糸が見え始めたのは。  糸が見え始めた直後は、その鬱陶しさに何度も鏡の前でその糸を必死につかもうとするが、それは手を透き通って掴むことが出来なかった。  私が疲れているだけなのだろうか。最初はそう思っていた。  私はそう思いながら、いつも通り家を出て、会社へと向かう。  いつも通り、私はホームで電車を待っていたが、ふとあたりを見渡すと、ホームで私と同じく電車を待つ人たちの頭の上から糸が空へと伸びているのが見えた。  私は戸惑いながら、

静 霧一 『ねむるまち』

 乱れたシーツの上で、私は彼の残した煙草を咥え、彼からもらったライターで火を灯した。  …

33

静 霧一 『真っ白』

“大好きなあなたへ  夏の茹だるような暑さが恋しい季節となりました。  明日の天気予報は…

37

静 霧一 『ドライフラワー』

   私は花屋に立ち寄った。  そこに買いたい花があったとか、そういうわけではない。  ふ…

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静 霧一 『きっと、今日も私は窓辺で愛する貴方を待っている』

  「私の人生、そう悪いものじゃなかったわね」  キーコキーコとロッキングチェアを揺らし…

48

静 霧一 『追憶の果て、青の住処』(下)

※前編はこちらから 「それじゃ、今日は楽しんでくれ!」  乾杯という合唱とともに、カチン…

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静 霧一 『追憶の果て、青の住処』(上)

『―――瑞葉、きっと僕は君の音色に恋をしていたんだと思う』 これは、とある天才ヴァイオリ…

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