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短編小説集

99
私の書き下ろした短編をまとめたものになります。
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2020年12月の記事一覧

夜に駆けない

   深い眠りから目を覚ますと、君の匂いがした。  カーテンの隙間から朝日が差し込み、外…

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静 霧一『白雪姫は雪と共に眠る』(下)

※前編はこちらから 『雪月症』  私がこの病気を初めて知ったのは、彼女が入院を初めて3日後…

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静 霧一『白雪姫は雪と共に眠る』(上)

 ふと、夜空を見上げると雪がちらついていた。  天気予報ではそんなことを言っていなかった…

29

静 霧一 『五月の迷える子羊』(下)

 ※前編はこちら  あくる日の金曜日、私は始業時間ギリギリに登校をした。  結局あの夜は…

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静 霧一 『五月の迷える子羊』(上)

「香奈先輩、さっきから溜息ばっかりついてどうしたんですか?」  芽衣が店内の床をモップで…

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静 霧一 『四月のありふれた恋の一文』

  『―――春って、残酷ね』  私は誰もいない教室の窓の鍵を捻ると、その窓をピシャリと開…

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静 霧一 『クリスマスソング』

 僕は子供のころ、クリスマスイブの日が一番好きだった。  香ばしい匂いのするチキンに、ケーキの上で踊る砂糖菓子。  家族みんなでへったくそなクリスマスソングを歌いながら、聖なる夜を祝福した。  僕はよくサンタさんさんが来るのを待ちわびて、無理して夜更かししていたことをふいに思い出した。  あれから何年経ったのだろうか。  僕は今、このクリスマスイブの日に独り、イルミネーションに飾られた街路樹に立っている。  どこもかしこもお祭り気分で、街路樹の通り沿いのお店はどこもかし

静 霧一 『Another』

「ねぇ、明人君」 「なに?」 「もしさ、私が私じゃなくなったらどうする?」 「なんだよそれ…

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色葬のPalette

 「―――美術室には幽霊がいる」  いつしか、私の通う高校にはそんな噂が立ち始めていた。 …

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