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司法書士が教える:まずは個人事業主で足固めを!法人化を焦ってはいけない理由とは?

こんにちは!

東京都江戸川区「6回目でやっと司法書士試験に合格した「相続・商業登記を軸とした中小企業支援業務」の専門家」「登記業務を通じてお客様に寄り添う」 資格試験アドバイザー 司法書士・行政書士の桐ケ谷淳一(@kirigayajun)です。


はじめに

これから事業を始めようと考えている皆さん、または現在個人事業主として活動しているけれども、「法人化」って聞くとちょっと難しそう…と感じている方へ向けて、このブログを書きました。

前回のnoteで「個人事業主か法人化か」をテーマに書きました。

これから全く事業をしていない人は個人事業主からスタートしたほうがいい理由を紹介します。

なぜいきなり法人化してはいけないのか?

これから事業を始める人は、まだ自分の事業で売上は立っていません。

そんな状況での法人化はデメリットしかありません。

まずは個人事業主で事業を始め、しっかり利益が出た段階で法人化をしてください。

法人は利益を出して、納税することで社会に貢献する形態です。

利益も出てなく、節税対策だけで法人化するのは、社会からの信用はかえって悪くなります。

まずは焦らずに個人事業主で利益を上げてください。

個人事業主から法人化への目安

個人事業主から法人化するタイミングは、売上や利益だけではなく、事業の成長段階、事業運営の複雑さ、税金の負担、資金調達の必要性、事業のリスク管理など、様々な要因を総合的に考慮する必要があります。

売上ベースで考えると、法人税率と個人の所得税率を比較すると、一定の利益を超えると法人化した方が税率が低くなるケースがあります。

日本では、個人事業主の所得が一定額(例えば、1000万円以上)を超えると、法人税の方が有利になる場合が多いとされています。

また、資金調達が必要な場合も法人化する方が当然有利です。

事業によっては投資家から支援をうけることもあるでしょう。

その場合は、法人化を視野にいれてください。

あと、事業が成長し、従業員の数が増えたり、事業運営が複雑になったりすると、法人として運営した方が効率的な場合があります。

ただし、社会保険とかは法人での負担となり、初期段階ではかなりの負担となります。

法人から個人事業主へ戻る時に費用がかかることを知っておくべき

意外と法人をたたむ時に費用がかかることを知らない起業家の方が多いです。

法人を廃止する時、解散登記、解散公告、清算結了登記で費用が思った以上にかかります。

司法書士報酬を含めないと、登録免許税や解散公告費用で8~9万円かかります。

また許認可のある法人が個人事業主に戻る場合、新たに法人としての廃止届と個人事業主での新規の許可申請が必要なこともあります。

法人をたたむ必要があるときは、いろいろなリスクがあることと、たたむための費用がかかることを知ってください。

法人化したが事業を休眠中 リスクはあるの?

個人事業主から法人化したのはいいが、結局事業をしていない会社も存在します。

休眠会社にするためには、税務署(異動届出書(休業する旨を記載))をはじめ、6つの行政機関(都税事務所、ハローワークなど)に書類を提出します。

基本的に費用は発生しません。

休眠届を出せば税金は発生しないと思っている人もいます。

しかし、休眠会社にも「法人税」「法人住民税」「固定資産税」の納税義務があります。

休眠中は営業活動による収益獲得がなく、事務所家賃等の維持費だけが発生するため、基本的には課税所得は生じません。

しかし、法人住民税の均等割は所得に関係のない税金のため、一定額の納付が必要になります。

なので、休眠状態であっても税金は発生することはあることは知っておいてください。

あと、法務局には休眠届等の提出は不要ですが、会社は動いている状態と同じとなります。

登記事項に変更が生じている場合は、変更登記が必要ですし、株式会社の場合は、みなし解散制度も適用されます。

そのことを考慮して法人化するかも判断してください。

個人事業主の開業届はいつまでに出すのか?

開業届の提出期限は、事業を開始した日から1か月以内(提出期限が土日祝日にあたる場合は翌平日)です。

開業届は、提出をしなくても罰則はありません。

しかし、提出するように定められていますので、事業をしてまだ提出していない場合は速やかに提出しましょう。

まとめ

個人事業主から法人化への判断、ただ節税対策だけで法人化するのは危険です。

売上段階や事業展開等法人化する要素ができて判断するようにしてください。

法人をたたむときにも費用がかかるし、休眠状態でも税金は発生することもおさえておきましょう。


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