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ねこペティREMIX#4「レンコン」 (エッセイ「大ちゃんと推しについて」)


「れんこん」
(Lotus root)


まんなかの

ふとくて

ながくて

あながないこは


たべずに
なでるが

せいかいです


今回登場したねこ:大五郎

家猫4歳オス。優しい飼い主さんのもとで標準以上にすくすく育ったおとこのこ。得意技はヘソ天。



「大ちゃんと推しについて」


「ねこペティ」に登場するねこの大半は、技法書「ねこ切り絵」シリーズ執筆の際生まれたキャラクターです。

「ユメ以外のねこも!」と版元に言われ、見た目や性格にバラエティを出すことに加え、切る際の難易度も考慮しながら、妻と一緒に考えました。
その中で唯一実在してるのがこの大ちゃん(大五郎)。実は見た目もそのまんま。飲み仲間の友だちんちにいるねこです。

飼い始めた頃の飲み会でのこと。
「大ちゃん宇宙一かわいいから」
と彼女にさらっといわれ、ちょうどナナさん(うさぎ)と暮らし始めた頃の僕は目から鱗が落ちました。
「ああ。それいっちゃっていいんだ(笑)」と。

愛する存在がほしい。
自分は、何かを愛せる存在でありたい。
心ではきっとそう焦がれながら、ひねてる僕は人間の推しというものを持てずにこれまで生きてきました。
それは、育った家庭で「うっかり頼りないムードメーカーの末っ子」という、求められたキャラを演じ続けてきて(もちろんそういう面がまったくないとはいわないけれど)、表に出す姿が本人の望むものとは限らない、なんてすねた目で世の中を見てたせいかもしれません。

僕が全宇宙に推しだとはじめて宣言できた存在はナナさんです。
ナナさんはいま、月に渡って神になったので、現在この地上で一番の推しは、うちにいるまるぼう(やっぱりうさぎ)です。

大ちゃん推しの彼女がそうであるように、僕もまるが一生幸せに生きられることだけを、ひたすら願って暮らしています。
きっとそれが僕の推し活です。

「表に出てる姿が本人の望むものとは限らない」というのは過去の自分のことであり、いま僕が表に出してる作品は、どれもぼやっと生きている僕本人よりよほど僕らしい何かです。
だから、それを気に入って、推してくださるかたがいるということに、僕は無上の喜びを感じ、この世の居場所を示す灯りを見る気がします。
いつもありがとうございます。


「レンコン」に全く触れてない!
実家では正月のお煮しめにあったぐらいの記憶しかないけど、薄く切って素揚げしたものに軽く塩をふるのが今の我が家の定番料理で、香りと独特の酸味、それに歯ごたえに手が止まりません。
揚げ物面倒くさいので週末ぐらいしかやらないんだけど、水分が抜けるぶん元の姿よりだいぶ小さくなる点も「週末だから贅沢してる」感を高めるメニューです。




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