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祖母の家を片付ける【嫁入り道具-長持】

こんにちは。

築70年になる祖母の家を片付ける作業を母と一緒に進めています。
古い大きな木で組まれた美しい家で、住んでいた人の生活が染みついたような家が私は大好きでした。

今回はそんなお片付けの時に出会った祖母の嫁入り道具のお話。

ナガモチ?

ずっと入れなかった部屋を片付けて、さらに奥に存在も知らなかったお部屋がありました。
そんなお部屋を片付けて、片付けて、片付けていくと、でかでかとした箱があることに気がつきました。それはそれは大きな木箱。
ただの木箱ではない。真ん中には家紋が入っていました。

「母さん、なんかあるよー!」(怖いよう)

「ああ、長持やん」

…異様にでかくない?


この木箱を長持と呼ぶようです。
初めて聞く家具の名前です。あれ、嘘、「ナガモチ」という言葉を発したことがある。もしかして「はないちもんめ」に出てくるやつ??

長持 ながもち

家具の一種。衣類、夜具、調度などを収納する蓋(ふた)付きの長方形の箱。担金具(にないかなぐ)に棹(さお)を通して2人で担いで運ぶ。近年まで嫁入り道具の一つに数えられていた。
長持には、多く木地のままの桐(きり)材を用いたが、ため塗り、朱漆塗りのものもあり、普通、長さ五尺(約151.5センチメートル)、幅・高さ各二尺(約60.6センチメートル)、蓋は印籠(いんろう)蓋で、錠前(じょうまえ)・担金具を付し、箱・蓋の四隅に金具をつけた。

日本大百科全書(ニッポニカ)  


はないちもんめの歌の中に「ターンス ナガモチ あの子が欲しい」とありますが(地域によってちがう?) タンス(が)長持ち(する) ではなく、タンス 長持 2つの名詞の並びだったことにびっくりしました。

「そうやで。」と母は当たり前のように言いました。知らなかったー!

そして何度か踏んづけた、突っ張り棒してはやけに長くて太い木の棒は、長持を持ち上げるための棒でした。
世の中には知らないことがたくさんありますね。
踏んでごめんなさい。

花嫁を祝う長持唄

嫁入り道具の一つとあって、長持唄というものもあるようです。
花嫁行列の時に、長持を担ぐ人たちが歌っていた縁起のいいお祝いの歌。素敵です。

今日は日もよし 天気もよいし 結び合わせて縁となる
蝶よ 花よと 育てた娘 今日は晴れての嫁入りだ
さあさな お立ちだよ
お名残惜しや 今度 来る時 孫連れてナー

宮城長持唄(一例)
世界の民謡・童謡  HP

美しい歌ですね。
リンク先にyoutubeがありますが、ゆっくりでなぜか懐かしいテンポのとても暖かい歌です。

おばあちゃんも、こんな優しい歌で嫁ぐ日を迎えたんでしょうか?
地方によって歌詞が違うみたいなので、今度調べてみたいです。国立国会図書館の司書さんとかに聞いてみようかな。

ハアー 今日はナー 日もよし 天気もよいし
結びナー 合わせてヨー 

この家紋は一体?

長持にある家紋は祖母のお家の家紋でもない。
でも長持だけでなく、同じくでこの空間で見つかった桐箪笥、桐箪笥の中の着物にもはっきりこの家紋が入っていました。

この家紋は一体誰の家紋?

ハアー さアさナ お立ちだヨー

▼お片付け記録はマガジンにまとめております


精進いたします。
切り絵作家 ひら子

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