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冬の家こもりで読みたい 推しの本

こんにちは。

「週末から一気に晩秋から怒涛の寒さとなります。」
一気に寒くなって体がびっくりしています。
このまま冬になるんでしょうか。

年中ホットを飲んでいるけれど、
ますます美味しい季節が来ました。ようこそ


若者の読書離れ

今週のニュースで、「若者の読書離れを考える」というものをみました。

いまの小学生〜高校生の49%は全く本を読まないとのことで、「えっ0分!!」と本を読んで大きくなった見をしては、手紙の減少のニュース同様にびっくりでした。

本を読む時間がない。本を読まなくても困らない。
ネットであらすじがわかるから読む必要がない。←え
映画を倍速視聴をする、に通じるカルチャーショックでした。

今の若者って忙しいんですね。
1日のタイムスケジュールが私が子供の時とは全然違うのかもしれません。
私も大学生の時はあんまり読んでなかったな、と思い当たる節があります。
とはいえ、本はいいぞ〜!面白いぞ〜!と広めたい気持ちが抑えられないのでnoteで発散させていただきます。

推しは推せる時に推せ!!!!

生命をテーマにした2冊の本

寒くなって外出が億劫だな、という日におうちで読みたい推しの本を紹介します。
農学研究科教授による全ての生命が愛おしくなる2冊です。

稲垣栄作
1968年静岡生まれ。静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。
専門は雑草生態学。

生き物の死にざま
著者:稲垣栄作先生

農学研究科教授による、生き物の生命の最後の輝きがまとめられた1冊です。
身近な生き物にも当たり前のように 繰り返されている生死があります。

例えば、野生のシマウマ・ライオンの最期は。
例えば、タコの最期は。
例えば、ミツバチの最期は。
例えば、ウミガメの最期は。
例えば、セミの最期は。
例えば、かつての神様だったニホンオオカミの種としての最期は。

ありふれた生き物たちがどうやって死ぬのか、命の最期にどのような動きを見せるのか。
全ては生命を次の世代に繋ぐため。
人間では考えられない選択がプログラムされていることに驚きます。決してそれは悲しい出来事ではなく、生命を繋いでいくために最も最良だと長い年月をかけて構築された生き方と生命の終わり方です。

淡々と綴られた1冊の中に、深く共感する生き物や心に残る生き物がいるのではないかと思います。
個人的にはタコの話は読み直すたびに涙が出てしまいます。タコ…

すべては「命のバトン」をつなぐために──
子に身を捧げる、交尾で力尽きる、仲間の死に涙する……
生きものたちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──
老体に鞭打って花の蜜を集めるミツバチ、地面に仰向けになり空を見ることなく死んでいくセミ、成虫としては1時間しか生きられないカゲロウ……
生きものたちの奮闘と哀切を描く珠玉の29話。

抜粋

続編の 生き物の死にざま 儚い生命物語 もオススメです!
ゴリラの話大好き。

敗者の生命史 38億年 
著者:稲垣栄作先生

同じく、稲垣栄作先生の著書です。大好きです、稲垣先生の本。

歴史は勝者によって作られる。

しかし、38億年におよぶとされる生命史規模でみれば、生き残ってきたのは常に敗者の方である。滅び去ったのは時代を圧巻した勝者だった。

生命が生まれてから、38億年(とされている)
だいぶ初期の段階で、生命は相手を食べるようになりました。
弱肉強食は、小さな欠片だった時から続く行為なんですね。
そこから38億年におよぶ生存競争が始まります。

単細胞では生き残れなかった。群れるようになり、多細胞生物が生まれた。
自分のコピーを生み出すだけでは生き残れなかった。雌雄を発明して、遺伝子を混ぜた。生命を繋ぐ方法として「死」を生み出した。
それでもダメだった。生き残るために移動しなければならなかった。
その場所で生きることができず、追いやられて住みづらい場所に移動して適応していかなければならなかった。
海水から汽水域へ、そして地上に追いやられた。
そのテリトリーの王者たる存在になれば、侵略されることがないベストな状態でいられるのであれば、変化する必要がないのであれば、変化しないことが最高の進化になる。

植物が地上で繁栄した。
胞子で増えるもの、花粉を作るもの、被子植物・裸子植物と理科の授業で耳覚えのある植物が生まれた。
食べられたくない、食べられないためにどうすればいいか。
早く環境に適応して、早いサイクルで命を回す。進化して永遠に命を繋ぐために、考え抜いて花を咲かせた。

本当にすごい、生命ってすごい。

生き残るために、敗者はニッチな場所を探して誰かが食べられないものを食べられるように進化した。空を飛んだ。川辺に適応した。とんでもない標高にさえ適応した。
誰かと被らないように隙間を狙って埋めていった。

そんな壮絶な戦いの中で、人類のようなものが生まれたのはたった4百万年前のこと。
207頁の本の中で、人間が出てくるのは後半の189頁から。
本当に38億年の中で見ると、生命史の中の後ろの方の僅かな期間なんですね。

ネアンデルタール人とホモサピエンス。
どうしてネアンデルタール人は生き残れなかったのか。
それはネアンデルタール人が弱かったわけではなく、強かったから。
ホモサピエンスは力が弱かった。群れをつくった。
道具を作って、その技術を共有して生き残った。

技術継承が人間が生き残る上での重要な進化なんですね。
先人が生み出した下地や基礎研究を基に、新しい技術や表現が生まれていくというのを思うと、いかに過去に学び、継承して繋げていくのが大切なのかを感じます。

今生きている生き物は、38億年間途切れることなく繋がってきた結果です。
上で紹介した「生き物の死にざま」でも先生が表現し続けていることは、生命の尊さで、生命を繋ぐことの愛おしさだと思います。
農学研究科の先生だからこそ表現できる、淡々とした文章がとてもわかりやすく腑に落ちます。

現代で時代を築いてきた敗者の中の敗者、人間。
38億年もの間、幾度となく繰り返されてきた歴史を顧みるに、次に時代を切り開く敗者たちによっていつか世代交代の時が来るのでしょう。

生命の凄さ、しぶとさ、賢さを学べる1冊です。

逃げろ。なぜ、弱くても生き残れたのか? 
生物に学ぶ画期的な生き残り戦略。敗者――。この言葉に、皆さんはどのような印象を持たれるであろうか。戦いに敗れた敗者は、弱い存在であり、みじめな存在であり、憐れむべき存在に見えるかも知れない。しかし、本当にそうだろうか。38億年に及ぶとされる悠久の生命の歴史の中では、最終的に生き残ったのは常に敗者の方であった。そして、その敗者たちによって、生命の歴史が作られてきたのである

抜粋

精進いたします。
切り絵作家 ひら子

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