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カウンセラーの陰口という名のセカンドオピニオン

以前の記事に加筆しました。(2024年5月29日)

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日本ではカウンセラーが身近にいない方がほとんどでしょう。

「カウンセラーって心が読めるの?」

「話を聞くだけなんでしょ?」

は定番です。

「カウンセラーって若いお姉さんなんじゃないの?」

「メンタリスト?」

「テレビに出てるあの、〇〇〇?」

こんなものまで。

いろいろなイメージを持たれやすい仕事だと思います。

例えば、中学生男子は、女子のことをあれこれ話します。

「自分には男きょうだいしかいない男子」が女子のことについて、勝手な幻想、ファンタジーを持っていたりします。

「中村先輩♡女神!」

そこへ「中村先輩の弟」がやってきて、水を差します。

「うちの姉ちゃん鬼だぜ。何が女神だよ(笑)昨日なんて、あんなことしてたぜ」

こんなふうにして、現実の女子像が作られていくという通過儀礼があると思います。

こういう現実的なイメージが作られていく現象が、カウンセラーには起こりにくいと思います。

そのため、理想的なイメージのままカウンセラーにかかり幻滅してしまう。

怪しいイメージがあるためカウンセラーにそもそもかからない。

カウンセラーにあこがれの気持ちで短期間に取れる資格を取り現場に出て、良いことをしていると思い込んで実践をし、クライエントを傷つける。

カウンセラー自身が、社会の中で安定した居場所を持てている感覚が持てず、常に不安が高い状態に置かれる。

など、利用者にとってもカウンセラーにとっても、なかなか地に足がつきにくい、しんどい状態に陥る(陥っている)と思われます。

お医者さんは「あそこの医者はいい、あそこは冷たい」など、井戸端会議で評価され、そこそこ現実的な存在として認知されます。

それでも、健康保険制度があり、社会的なステータス、居場所、権力はしっかり持っているため、守られており医師の立場は揺らがない。

だからある意味、陰口によってお医者さんは鍛えられます。(方やカウンセラーは、確固とした居場所がないため、陰口、風評被害によって、居場所を簡単に失ってしまうリスクがあるように思います。そのためカウンセラーが防衛的になり、発信を控えることで、知られずに利用されない状態が続くという悪循環があるように思います)

病院は、「先生はドライだけど、薬がほしいから行こう」とか「待たされるけど、話はよく聞いてくれるから」など、患者さんにとって病院にかかる目的が自然と具体的になりやすいでしょう。

お医者さんは神様ではなく、専門家であり、それぞれに得意不得意があります。

井戸端会議の陰口は、患者、医師お互いにとってWIN‐WINな結果につながるように思います。

クリニックや医院はたくさんあります。そして体の健康の話はしやすいです。

かたやカウンセリングルームとなると、都心部を除き、ほとんどない。そして、心の話はしにくい。

だから人々の話題になりません。カウンセラーが陰口の対象になりません。

それはカウンセリングの普及にとっては、望ましいことではないように思います。

ユーザーにとってカウンセリングが現実的な選択肢にいつまで経ってもならないからです。

カウンセラーは救世主、神様のようなイメージが作られるか、役立たずのイメージが作られるか、極端になりがちだと思います。

多くのカウンセラーが普及活動をしています。とても必要なことだと思う反面、しかし何かそれだけでは、普及には足りない部分があると感じてきました。

クライエントが情報を一方的に受け取るだけではなく、自分事としていくことが大切だろうと思います。

そのために、

「あのカウンセラーは話を聞くだけだった」、「あのカウンセラーは自分の解釈ばかり話して自分に酔ってる」と批判も自分事として語ることが不可欠に思います。

カウンセラーの日本社会の中での立ち位置が不安定なので、前提として構造の問題ではあります。

カウンセリングの開業がアメリカなどのように一般的ならまた違うのでしょう。

お上が、「開業カウンセリングを普及させる」とお達しを出せば、お医者さんのように、カウンセラーも井戸端会議の議題に載せてもらえるでしょう。

本当は構造を変えるのが正当な方法だと思います。でも、すぐには無理でも、一カウンセラーとして考えることを発信することはできると考えます。

発信の結果、自分事になる方が増えて、構造を変えていくことをほんの少しでも後押しすることになればとも思います。

私は、現状においてカウンセラーの陰口を聞く人がいないなら、カウンセラーが聞けばよいと考えます。

カウンセラーが聞くしかないという感じがしています。利用者同士で陰口を言う場は無いと思います。(スクールカウンセラーが学校の先生たちの陰口の対象になっているのはある意味良いことだと思います。でも生徒や保護者たちからは陰口を言われる機会はまだほとんどないと思います)

その結果、SNSでそれぞれが思いを流すことになるケースが後を絶たず、利用者の方もカウンセラーもみんな傷ついて、うまく言えないですが、全然誰にとっても、WIN-WINじゃない。

ここは、セカンドオピニオンです。

セカンドオピニオンという、いかにもらしい横文字でコーティングしていますが、要するにカウンセラーの陰口を話しにいらしてほしいと思います。
(私の陰口もどこかで話されていればそれでよいと思います。ただ、願わくば見えないところでやっていただきたいものです。陰口が見えるほど傷つくことはありません。SNSはそれがとても怖いツールです)

陰口を聞いて、他のカウンセラーを貶めるということでは全くなく、それを糸口に、「あなたは何をカウンセリングに求めているのか?」「どういう関係性に傷ついてきて、どういう関係性を欲しているのか?」

「あなた理解」を深めていけるような対話をしていければと思います。

子どもがお母さんの不満をお父さんに伝える、お父さんの不満をお母さんに伝えるということがありますが、両親は信頼しているので、それぞれがそれぞれを否定、批判することはしません。子どもの不満を、子どものニーズに読み替えて、子どもに返していくのが親の役割でしょう。

臨床心理士、公認心理師同士で、クライエントさんをめぐって批判し合ったりすることは、全く無意味だと思っています。(その他のカウンセラー資格については、私はそれらの資格を持っていないため、議論の場があるのであれば、それぞれの資格の疑問点を意見交換する場はあるといいなとは思います)

他のカウンセラーの陰口はあくまでコミュニケーションの入り口だと思っています。

不満を聞き、ニーズを読み取り、それをクライエントさんに返していければと思います。結果、あなたのニーズに合うカウンセラーにかかれるようになっていくのが、利用者、カウンセラーにとってWIN-WINなのではないでしょうか。

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