見出し画像

巷にあふれる見えにくい”情緒的なネグレクト”

ネグレクトというと、衣食住の世話をしないといった、見るからに明らかな虐待行為を連想する方がほとんどだと思います。

実際に児童福祉の現場でも、そのような明らかなネグレクトについては支援の対象になります。

ここでは、”情緒的なネグレクト”の言葉を少し広く捉えて「放任、放置、気持ちを向けない、寄り添わせない、興味関心を持たない」といったニュアンスで捉えてみます。

すると、多くの方々に当てはまってくるニュアンスを帯びてくるのではないでしょうか。

ネグレクトという言葉の持つ侵襲性があるため、この言葉に気分が良くない気持ちになられる方もいらっしゃると思う一方で、こういった言葉があることで、ようやくご自身の状態を把握できる安心感につながる場合もあるように思います。

なんとなくの生きづらさを当ルームでは扱っていますが、その一つに情緒的なネグレクトがあります。

情緒的なネグレクトの特徴としては、

衣食住や、学校のこと、習い事、塾などには、親はしっかりと世話をしてくれていたが、どこか、気持ちの上で、放任されていたようなかすかな違和感、若干のもの寂しさがある。

親自身が精神的に苦しい様子がみられたため、子ども時代から親のことを気にしたり、周囲のことに気を配ってきて、気づいたら自分のことは後回しになりがちだった。

世間一般にはいろいろな達成を遂げて、充実した人に見られていると思うが、内心はどこか空虚で、中身がない感じ、芯がない感じ、一人で打ち込めることがない感じ。

相手の顔色や言動を過度に気にしてしまい、少しでも拒否されたとか、関心を向けてもらえないと感じると、途端に気持ちが沈んでしまう。

こういった体感として表れることが多いと思います。

そして、こういった体感を持つ方は、今の時代にはまったく珍しいことではなく、むしろかなり多いと感じております。

こういった体感を変えていくことは可能だと考えています。こういった体感は、実は支援の対象であり、実は心に傷を負っている状態ともいえます。

トラウマという言葉にも重なってくる部分もありますが、あったものを壊されたということよりも、必要な世話を得られずに、育つはずのものが育たなかったというニュアンスが合うように思います。

種はあるけど、土と光と水分が得られず、発芽前の状態とも言えます。

当ルームでは、大人になってからでも、心を発芽させていくことが出来る可能性はあるという立場に立ちカウンセリングを行っております。

よろしければ一度、お話にいらしてみてください。
nakamura-counselingroom.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?