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カウンセリングがマッチしやすいだろう状況

カウンセリングの時間は、基本的にはじっくりカウンセラーに話を聞いてもらっている感じになると思います。

クライエントさんの話を聞きながら、カウンセラーも何かを言います。

それを受けて、クライエントさんは自分の考えを言葉にしてみてカウンセラーに伝えます。

そのやりとり、言葉の往復をしながら、どういうことなんだろう。これってこういう感じ?・・・など、あれこれ考えていく作業をします。

「考えていきたい、分かっていきたい」という人には、カウンセリングはマッチしやすい取り組みだと思います。

また、その話題を他の日常生活では話す場がない。というときにはよりマッチしやすいと思います。

そして、話し合うことの力や可能性、話し合うことで人と人がつながれる可能性、端的に言うと「言葉の力を信じている」という志向がある方にマッチしやすいと思います。

一方で、「とにかくただただ聞いてもらいたい。受け入れてもらいたい」とか、「明確な結論、結果が欲しい、明確な助言が欲しい」「症状をとにかく取りたい」といった気持ちが強い場合には、「ちょっと違うかな~」という違和感を持ちやすいと思われます。

答えを人にゆだねたい時にはあまりお役に立てないと思います。
「私ってすぐに人にゆだねちゃう」
そんな自分についてどういうことなのか考えて、違った風に変えていきたい。という人にはカウンセリングはおすすめです。

「分かっていきたいけど、分かってしまうのも怖い」「変わりたいけど変わりたくない」という矛盾をどうにかしたい人にも、お役に立てることはありそうです。

でも、分かってしまう怖さに圧倒されてしまうような場合には、避けておく方がいいかもしれません。

「分かりたくない」「蓋をあけたくない」「変わりたくなんかない」「そっとしておいてほしい」そういう気持ちを持つことも自然なことです。そんなときは、出来る限り話し合って中断したり、終結することもあります。

うまく話し合えずに、「ちょっと予定が~」といった形での終結や中断も当然あると思います。それ自体は一般的なソーシャルスキルでもありむしろ健康なことだと思います。(「話し合うのが大事だから」と、ちゃんと話し合わないとやめることを許さないような関係性はマズイと思います。)

また、考えるヒントとして、専門的な情報を得る目的で利用するのもありだと思います。心理教育と言ったりします。心の発達のプロセス、トラウマ、発達障害、パーソナリティー障害、家族の心理、虐待の連鎖などなど。

例外として、お体の状態が優れないときや、じっくり考えるほど生活にゆとりのない時、気分の落ち込みや波が大きいときなどには、「変えていきたい」という気持ちが強くても、その前に他のことを優先させる必要がある場合もあります。

ここで書いたことは、カウンセリング全般に当てはまることも多いですが、あくまで当ルームでのカウンセリングに関して言えることということを最後に付け加えておきます。

可能な限りカウンセリングについての共通理解をもってスタートしたいと思っています。体力も時間もお金も有限です。

でも100パーセントの共通理解が出来るというのも幻想です。

カウンセリングを理想化していたけど違った、「カウンセリングってこうだ」というファンタジーを持っていたけど違った、カウンセラーに怒られている?ように感じる、さまざまなことが起こりえます。

カウンセラー側も、クライエントさんとの関係に様々なファンタジーを持ちます。実際の関係性もそうなりそうになったりします。この現象を逆転移と言ったりします。

このあたりの関係性をきちんと把握して、決して実際の行動にしてしまうのではなく、変化へと生かしていくところがめちゃくちゃ難しく、いわゆる専門性を要すると考えています。

面接の中だけでなく、面接につながる経路の時点でも、関係性は発生しています。この記事を読まれた上で来室されたとした場合、カウンセラーに何をイメージしているか、期待しているか、医師からのご紹介の場合はどうか、カウンセラーからのご紹介の場合はどうか。出会う前から関係性が発生していると考えます。

カウンセラーもカウンセリングを受けたり、「スーパービジョン」という、カウンセリングプロセスを詳細に指導者に検討、指導される場に身を置き、それに自覚的になろうとし、言葉化していきます。自分の心のクセやカウンセリングの仕方のクセに自覚的になろうとし続けます。

こころの感度や鮮度を常に新鮮に保っておく必要があります。


当ルームでのカウンセリングでは、関係性の中で起きていることをキャッチし、言葉にすることを通して、分かろうとし続け、共通理解を目指し続けます。

こういった言葉にし続ける~ingの場として、人と人がつながれる可能性に開かれていくこと、変化や成長や安心を目指し続けるプロセスが、当ルームの目指すカウンセリングです。

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