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レース模様の図書室|影山多栄子さまのご紹介

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影山多栄子 Taeko Kageyama | 人形作家 →Blog 
山吉由利子(球体関節人形)、宮崎優人(市松人形)に人形制作を学ぶ。石粉粘土と布を中心に様々な素材を使い、ひとりひとり違うお話を感じさせるような可愛らしさと不思議さを持った人形作りを心がけています。
[個展]2003年 「うきわ」(ギャラリー古桑庵)、2004年 「まくら」ギャラリーNonc Platz。以後数年おきに個展を開催。ほか企画展、グループ展など多数。2007年創作人形専門誌「Doll Forum Japan 49号」表紙掲載。2018年 作品集「遠くをみている」発行。

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作家名|影山多栄子
作品名|読書室の物語

球体関節人形(首、肩、脚の付け根、膝、可動) 
石粉粘土・アクリル着彩・リネンなど
2020年(新作)
作品サイズ|約23cm

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図書室での「レース模様」とは繊細に絡まる美しい「物語」のこととして、本を愛し、たくさんの物語の中を静かに行き来するような少女を思い描いて作りました。お洋服はシンプルですが、下着のほうにはレースも使いました。今回は珍しく球体関節なので、自立もまあまあ出来ますが、座らせての展示が安全です。可動するのは首、肩、足の付け根、膝です。あの「こっぱのこ」がよき相棒になってくれる気がしています。

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 レースのカーテンを開けて、花瓶のお水をかえる時。西日が差し込むテーブルで、夕食の準備のために本を閉じる時。眠れない夜のしじまで、物思いに耽る時——懐かしい気配がお部屋の片隅に漂っていることに安堵する。

 影山さまのお人形は、日々の生活の中で、ふとそらした視線の先に、いてくれる。持ち主は時々、飾っている場所とは少しばかり違うところに、お人形が移動していることに気づくけれど、気づかないふりをして、視線の先にいてくれることを喜ぶ。

 可愛らしいだけではなくて、仄暗さを影山さまのお人形から感じるのは、そのせい。そして、視線の先に懐かしさを感じるのは、過去の自分に似た何かを、少女のお人形や不思議な生き物たちに見つけているせいかもしれない。

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 レース模様の図書室で読書をしていたら、ひとりの少女がディケンズの洋書の上に座っていた。書物をひらく度、ずっとそばにいてくれた少女に、再会した——

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 本展出品のお人形「読書室の物語」は、影山さまのブログにもお写真が掲載されています。ぜひ見に行ってくださいね。→影山さまのブログ

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作家名|影山多栄子
作品名|こっぱのこ

楠・アクリル絵の具
2019年(常設作品)
作品サイズ|約2cm

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 レース模様の図書室開館にあたり、少女の相棒に名乗り出た、菫色のこっぱのこ。菫色の小部屋に襲来するたびニュースになる、ちいさいけれど、圧巻の存在感。影山さまのチャーミングがそのまま形になったこっぱのこ、ぜひ皆様の相棒にして下さいね。

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作家名|影山多栄子
商品名|影山多栄子 人形作品集『遠くをみている』

写真|田中 流
装丁・レイアウト|小川梨乃
A5判・2018年発行
価格|税込2,475円

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 発売当初から大好評、2016〜2017年に制作された影山さまの人形作品を集めた一冊。ノーブルな少女のお人形から不思議な生き物たちまで、影山さまの世界を存分に味わえる作品集です。

 部屋のすみ
 ちいさな空っぽは
 遠くをみている

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 ここオンライン・ギャラリー「Mauve Cabinet」は、いつでも好きな時に好きなだけ、作家さまの作品を鑑賞できる場所。ぜひまた、影山さまのコーナーに遊びにいらして下さいネ!

お花ラスト


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