少女の聖域｜ruff｜VGSCへようこそ
Text: Kayoko Takayanagi
少女について——
小さな囲いと秘密を好む。相手の宝物が知りたくてお互いにこっそりと見せ合う事で絆を繋いだり繋がれたりする様な、曖昧な事で特別感を楽しむ時期という印象があります。
今回の作品はそんなイメージから、菫色の少女秘密倶楽部というテーマで制作しました。
.....ruff
少女は可愛いだけではない。
もちろんここで言う可愛いは姿形について述べているわけではないと断っておく。誰でも、性別を問わず年齢を問わず、少女で在るということはすべからく可愛いということなのだ。
そして少女は可愛いとともに、格好の良い存在でもあってほしい。
では格好が良いとはどういうことか。
それは単に表面に現れる言動を見栄え良くするのではなく、少女としての志を高くもつということである。品性と言い換えても良いかもしれない。少女で在り続けるという決意の先には、数々の困難が立ち塞がっている。少女は沢山の敵と戦い続けなければならないのだ。その際勝てばいいというものではない。戦い方には品性が出る。
あくまでも格好良く世界と戦いたいものである。
ruffの作品を見ると、スタイリッシュや洗練という言葉がまず頭に浮かぶ。
アナログとデジタルがコラージュされた作品は、アートとデザインの融合といっても良い。清潔で硬質なその作品空間には、慎重に選ばれて美しく配置されたモチーフが並ぶ。
モダンな建築物のようでもあり、また荘厳なアンティーク家具のようでもあるその作品は、一見少女とはあまり関係がないように思われる。実際ruffの作品に、いわゆる少女らしい少女はほとんど出てこない。彼の世界の常連は、青年や紳士、優美なマダムなど大人の世界の住人たちである。
その一方ruffの作品の中には、ウサギ少女とも言える愛らしいキャラクタも棲んでいるのだ。ウサギたちはひそひそと内緒話をしながら、いたずらしたり、なにかわからない目的のために忙しく働いたりしている。
可愛さと格好良さは相反する性質ではない。双方兼ね備えたruffの世界に、今回は「少女」というテーマを持ち込んでもらったが、それはやはりかなり格好が良かったのだった。
今回の展示のためにruffは「菫色の少女秘密倶楽部＝VGSC」を設立してくれた。少女に秘密はつきものだ。少女たちは秘密を共有することで連帯する。菫色のささやきに、銀色のきらめきに、少女は秘密をのせて運ぶ。
そしてユニコーンは少女に付き従い、少女の騎士の役目を従順に果たす。その獣はときには聖域を守るために荒ぶることもあるのかもしれない。
大人びた少女の横顔に宿る初々しい表情は、誰にも見せない秘密。秘密は秘密のままそっとしておくものだから、少女以外に知られてはいけない。
少女たちは、秘密を守るために日夜暗躍して格好良く戦っているのだ。
VGSCの名にかけて。
ruff ｜ イラストレーター →Twitter
鉛筆や絵具、箔押しなどのアナログとデジタルを組み合わせ、モードとアンティーク、仄暗い雰囲気の世界や住人を描く。
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作品名｜聖域
デジタル・箔押し・箔・インクジェットプリント紙
制作年｜2020年（新作）
作品サイズ｜21.4cm×16.3cm
額込みサイズ｜29cm×24cm
販売期間【2020年7月26日（日）10:00〜8月2日（日）23:00】
販売は先着順
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作品名｜ユニコーンの集い
デジタル・箔押し・箔・インクジェットプリント紙
制作年｜2020年（新作）
作品サイズ｜18cm×12cm
額込みサイズ｜28cm×22cm
販売期間【2020年7月26日（日）10:00〜8月2日（日）23:00】
販売は先着順
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作品名｜VGSC
デジタル・箔押し・箔・インクジェットプリント紙
制作年｜2020年（新作）
作品サイズ｜18cm×12cm
額込みサイズ｜25cm×19cm
販売期間【2020年7月26日（日）10:00〜8月2日（日）23:00】
販売は先着順
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