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少女の聖域

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オンライン開催 霧とリボン企画 高柳カヨ子プロデュース《少女の聖域》|2020.7.19〜25 *7/22(水)休|少女とはなにか。少女であるとはどういうことか。あらゆる時代と時… もっと読む
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#リボン

少女の聖域|トレヴァー・ブラウン|リボン同盟ふたたび

Text: Kayoko Takayanagi girls are: a source of wonder and a source of inspiration  .....trevor brown  少女が優しく儚いなんて、誰が言い出したのだろう。もちろんそれもあっていい。可憐で繊細な側面もまた、少女ならではの特徴のひとつだ。少女は確かに壊れやすく傷つきやすい存在である。だからこそ少女が少女たり得るためには、強靭で柔軟な精神性と凶暴な感性が必要なのだ。  少女は年齢

少女の聖域|Karte|傷は傷のままに

Text: Kayoko Takayanagi わたしはいつも絵を描くとき、子どものわたしをイメージしますが、少女たちはわたし自身ではありません。 少女たちはわたしが目を逸らしたくなるような悲しみや寂しさを共に見つめ、あるときは寄り添うように悲しみの表情で、あるときは退屈そうな顔で、あるときはただまっすぐわたしを見つめ返して... 少女たちのその自由さがわたしを救い、癒してくれるのです。 『少女の聖域』では自らの傷を見つめる小さなシェルターのような、そんな場所を彼女らと共に

少女の聖域|DAY 1

《少女の聖域》へようこそ。 菫色の小部屋に現れた扉をくぐれば、そこは不在の少女の秘密の花園です。 まずはじめに目にとまるのは、澄み切った寒色が印象的なトレヴァー・ブラウンの「少女」。 今回の展覧会のメインビジュアルを飾る彼女は、少女の象徴とも言えるリボンを包帯にして、あなたの傷の手当てをしてくれます。 そして瞬きもせずにじっとこちらを見つめるKarteの「少女」も、子供部屋を彩る懐かしい思い出とともに迎えてくれるでしょう。 ベテランと若手、キャリアは異なりますが、痛みを抱え

少女の聖域|Miss Moppet Dolls|薔薇色の結晶

Text: Kayoko Takayanagi 紫のすみれ、少女の象徴のような花。 儚くつつましいイメージとともに、たくましく強く、野に咲く花でもあります。  .....Miss Moppet Dolls  硬く冷たく、壊れやすい。  少女はビスクドールによく似ている。  19世紀末にジュモーやブリュといったブランドを中心に黄金時代を迎えたビスクドール。磁器で作られた顔や手足は磁器であるが故に、落とすなどの過度な衝撃が加わると割れてしまう。西洋のアンティークだったビスク

少女の聖域|永見由子|余白に迷う

Text: Kayoko Takayanagi 私にとって「少女」とは、「途中」に立つ存在です。 昨日と今日の途中、こちら側とあちら側の世界の途中に立つ存在、そして通り過ぎるものとしての少女像を思い、絵にあらわしています。  .....永見由子 少女には隙がある。 完全な少女など存在しない。少女は常に余白を抱えている。 隙間からそっと外の世界を覗いたり、余白に何を書き込むか夢想したりしながら、少女は迷う。 不完全であるから、隙があるから、どこへ行くか迷うことができる。 大

少女の聖域|DAY 2

2日目の扉が開きました。 本日の聖域に流れているのは、微睡みの時間。 Miss Moppet Dollsの菫色の「少女」は、ビスクの頬を薔薇色に染めて物憂げに佇んでいます。 硬く冷んやりとしたその肌合いの中に、あたたかな少女性を秘めて。 白詰草や金魚草に囲まれた永見由子の「少女」も、眠りと覚醒、幻想と現実の狭間でどちらに行こうか躊躇している様子。 優しい表情の奥には毅然とした決意が隠されているのかもしれません。 いたいけで可愛いことだけが「少女」に許された資質だと思い込ん

少女の聖域|DAY 3

「少女」で在るには格好良さも必要です。 守られる存在ではなく、守る存在としての少女。 規範や定義を押し付けて小さな枠に囲い込もうとする外圧に抗い、世界と対峙すること。 そんな戦う「少女」たちのための秘密倶楽部を、ruffが聖域の中に創造してくれました。 一角獣が守るその場所へは、あなたの中の不在の少女が案内してくれます。 まだ少女でいることに迷っているのならば、白玉ゆりの「少女」のように、三つ編みをほどいてみますか。 髪が長くても短くても、前髪が切りそろえられていなくても、