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祝福の断面

わたしポートフォリオ


円満に幸せになるためにまず手放すべきものは、親の期待だと思う。父が私を自分の投資の結果だと言った。投資に見合わない成果ならいらないと言った。俺の人生の汚点になるなら金を返して出てけ。こっちだってそんな親願い下げだと思った。金ヅルとしか思ってないって言ったらどんな顔するだろう。内緒で縁を切るつもりだと言ったら。女でよかったこと:他人の一族のお墓に入れるかもしれない
円満に幸せになるためにまず手放すべきものは、親の期待だと思う。自分の口から殴られたくないから言わないって言葉が出たのが嫌でショックだった。外にでるとムワッとした草いきれの「いきれ」の部分みたいな空気が漂っていて、まんまるの月が綺麗だなあと思った。いたいくらい眩しくって視界がぐらぐらして風でうまく煙草に火がつかなかった。本気で誰かを愛してみたかった。
狂わないために狂っていたい。煙草は鬱から抜け出すためにあると思う。あの苦くて味蕾が潰れる感じが慣れなくて、ゲエッて思ってるうちは、あの味に慣れないうちは大丈夫、たぶん。鬱でしぬよりニコチンで死にたい。
まるっきりずれた憧れをずっと貫いてられれば幸せなのにでも最初から分かってたし最初から全部失ってた。


酔いどれ知らず


お酒はおいしくてえらい。えらい!えらーーい!!夢はもういい、もういいけど湧いてくるから夢で、酔生夢死がわたしのなりたいもの。愛には2種類あって、善意と、好意と、この区別がまだつかなくて、色んな人を誤解させている気がする。私の世界はまだまだ曖昧だ。男が多いバイト先で働いているので、必然的に男と話す機会が増えた。学歴とか背景とか知らずに気さくに話せるのがたのしくて色々な人と話していたら、とある男の子から連絡先を聞かれた。アイコンがかわいかったので褒めたら、今度抱えられるくらい大きなぬいぐるみをくれるという。これ、危ない?好意あるみたいに受け取られてるのかな。考えすぎかな。
昔から分からない「悪人」がいる。『烏に単衣は似合わない』のあせびちゃん。ジョジョのプッチ神父。目的達成のためにはどんな犠牲もいとわないタイプだ。でもその目的の根本には自分の「好き」がある。好きって欲望は何より汚くて何より尊い。だから好きならなんでもできるっておもえるし、それを実行に移せるのはそんだけ好きなんだなあって証明だ。好きなら狂っていた方がいい。好きには狂っていた方がいい。その方が汚さは純真に見えるしそうであるほどかわいいはずだから。そういう悪が分からない私はきっとどこか世間とズレていて、他者と向き合うたびにいろんなズレを思い知らされ続けることになるんだろう。善悪は相対的に見ないと分からないと思う。知らんけど。むずかしいことってわかんないね。あー、もう一杯!


対岸の禍事


デートの日に生理になった。今日キャンセルしたら前回から次会うまでほぼ1ヶ月空く。何度か日程調整してもらって空けてもらった日だったから、さびしがらせちゃうだろうし行かなきゃダメだなぁって思って無理して会いに行った。本気でありえないくらいおなかが痛かった。彼は今日も優しくってご飯だけ食べたらすぐ帰してくれた。心配だから嫌じゃなかったら、って言って地元までついてきてくれた。地元の駅の川べりで話しているころにはもうすっかり気分は回復していて、そのまま家の近くまで手を繋いで帰った。すっごく稀有な優しい人をゲットしたなって自分でも思う。ありがたいなあって思いながら家に帰って、すぐお礼のラインを入れた。お風呂に入っているうちに返信があった。曰く、会ってくれてうれしかった。それから一言と画像が送られてきた。
「ごめんけど泥酔してるみたいだったね笑」
そこにはおなかが痛くて蹲っている私がいた。


本当なんてぶっ飛ばしてよ


逃避行が好きだ。日常をほっぽりだしてどこかへいったまま帰ってきたくない。逃避行がしたい。私の無限恒久永遠推し:ジョセフ・ジョースターは逃避行が似合わないから好きだ。現実に立ち向かう力を持っている。つよいひと。このクソみたいな世界を生き抜くための知略と愛嬌と精神力と体力と、もうなんか色々持っていて、おまけに彼は人を信用して愛することができる。人間としての根幹が美しいほど出来上がっていて圧倒的に社会に向いている。私が持っていないものを全て持っている。すごいひと。この人以上に人を好きになることってないんだろうな、って思う。破天荒で突拍子がなくて最高にかっこいい彼を一人間として尊敬してる。首筋のアザは私の一番星だって思いたい。
私が生涯かけていちばん愛するところである彼は逃避行が本当に似合わなくて、だから私はジョセフ・ジョースターと逃避行がしたい。会えないなんて分かってるけど愛で会いに行きたいよ。本当なんてぶっ飛ばしてよ。


私はかわいい絶対多分


アキバは良い。アキバのゲーセンが好き。無数のキモい太ったオタクとか汚いオタクとか臭いオタクとか意味不明な外国人が箱の中の綺麗な女の子の肢体を手に入れようと筐体のガラスにへばりついて荒々しく呼吸している。自分で手に入れたいあの子。健全な消費がそこにある。女の子って美しい。きれいはきたない、きたないはきれい。
他人のために女の子ができない。女は愛嬌だから愛想良くしてみせるとか女は綺麗な言葉遣いをしなきゃいけないから言葉遣いを直すとか女は家事をするものだから積極的にキッチンに立つとか。他人のために女として生きたくない。自分のためにならできるんだけどなあ。自分のためのかわいさや女の子を誰かに分け与える気が一切ない。かわいく生きてる私を見て勝手にかわいいって思え、思えないならいらない。私は私だからかわいいし私のかわいさは私だけのものだから他者目的のかわいさなんてかわいくない。そんなかわいさはクソだ。私は女の方がかわいいから女をやっていてそれはおまえのためじゃ一切ない。おまえなんかのために絶対かわいくなんてなってやらない。私は自己愛が強いしオマケにかわいい中毒だ。この生きづらさもそれを敢えて選択しているのも女の子だからだし、それが救いようがないくらいかわいいと思う。薬で治る病なんて人生賭ける意味ないしもっと生き様にめろめろじゃなきゃ生きてる意味ない人生だもん。楽しみたいだけ。
アキバは良い。アキバのコンカフェが好き。かわいい自覚がある女の子が自分のかわいいを振りまいてお金をもらっている。自分のかわいいが突き通せないくらいなら死んでしまいたい。かわいいに溺れて死んじゃうのもかわいいでしょ?わかったやつだけワンって1回、1回だよ。ね。私はかわいい絶対多分。


void

生まれてしまったからには祝福されたい。生まれてしまったことをめいっぱいの愛で。人生を思いきり楽しみたい。やりたいことはぜんぶしたい。人生だもん。
時間の使い方やお金の使い方、つまり私の作り方は私が決めるし、自分を消費できるのはまずは自分じゃなきゃいけないと思う。すべての人がすべての自分をひそやかに愛せますように。うちをぬけだして逃げてしまった先で何も持っていない自分に残ったものこそ本当の自分のものだから、早くこの空っぽも愛せるようになりたい。


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