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必要悪

至る所で見るのが「抗菌」「除菌」という単語類。
子どもの頃の世界から考えると、ずいぶんと清潔な世の中になった。
昔はいわゆるボットン便所など当たり前にあったし、汲み取り式便所の家は、多少なりともあの臭気が漂っていた。
それを不思議には思わなかった。

そんな環境を懐かしいとも言えないけれど、あまりに抗菌や無菌に拘るというか、それを当たり前にしてしまうと、人が本来持つ抵抗力を弱めてしまう気がしてならない。

昔、外で遊ぶと傷を作って帰ることなどザラにあった。

消毒液を使うことも珍しくて、よほど化膿したりするとケアしたが、気にしないままでも問題なかった。

決して推奨する訳ではないが、事実こうしていた。その時代を過ごした世代の死亡率が高い訳でもない。

手洗いやうがいまで否定はしないけど、雑菌の中で人は暮らしている。

無理矢理に不潔を勧めるつもりはないけど、取り除きようのない雑菌まで気にしてしまうのは、却って生命力を損なうことに早く気付いた方がいい。

気にしなくてもちゃんと人は生きていけるから。