発達障害者の僕が面接で通過したときのマインドセット

ここ数日、本業の方がいろいろと忙しく、記事の更新ができていなかった。

忙しいというのは「心を亡くす」と書くのであまりよろしくない状態だ。

以前の記事で、発達障害者でなおかつ、職務経歴が荒れている人間でもなんとか次の食い扶持を見つけるための戦略について紹介した。

今回の記事は上記のような状況でも面接に通過するために必要なマインドセット(考え方・姿勢)について話していこうと思う。

僕の面接時の実績

僕はこれまで3回転職活動をしている。

今回紹介するマインドセットを持つ前の実績だと、

書類20提出に対して、10通過し、1内定という結果だった

書類通過率は高いものの、内定率という点では非常に低い。

しかし、マインドセットを身につけた後の実績は

書類20提出に対して、5通過、3内定という結果になった

ちなみに、内定の内訳は

WEB系のベンチャー×2と日系の組織人事コンサルティング会社の3社だった。いずれもそこそこ高いと思われるし、実際働いている人も外コンやメガベンチャー出身者など優秀な人が多いため、簡単に入れるようなところではない。

※ちなみに2回目の転職活動では、ブラック小売業にしか受からなかったのでそう考えると今から紹介するマインドセットは有効だということがお分かりになるだろう。

というわけで前置きが長くなったが紹介していく。

一番大事なことは「出来ることと出来ないことを堂々と伝える」ということ

これはかなり大事なことだと思っている。

発達障害を持つ僕たちは得意不得意の差が激しい。

資料作成やデータ分析をやらせたら右に出るものはいなくとも、対人折衝が致命的に出来ないとか、飲み会で気の利いたことが喋れないとかの特徴が僕にもある。

一般的な面接指導の場ではそういったクリティカルな短所は正直に言わず、少しオブラートに包んだり、アピールポイントに言い換えられるような形で言うのが正解だと指導されることが多い。

だが、正直、上記のような言い方は発達障害者である僕たちには全く向いていないと思っている。

理由は大きく2つだ。

①入社後に自分が苦しくなる
例えば、本来「空気を読むのが下手」と言うのが最大の短所であるのに、それを言わずに入ってしまうと、入社後の対人関係で死ぬほど苦労する。ソースは僕だ。
②オブラートな言い方がそもそも苦手
「少しオブラートに包め」と言われても、そもそもオブラートとはどう言った定量的な要件を満たす必要があるのか。そして、なぜオブラートに言わなければいけないのかが理解できない。そのため、エージェントや面接指導の場でこう言いなさいと言われたことを台本通りに言うことしかできず、面接官に見透かされてしまい通過しない。

あくまで憶測だが、ネットや転職エージェントに書かれている面接対策は定型発達者向けに書かれているのではないかと思う。

そのため自分が一番得意なことと一番苦手なことを正直に伝える方がいい。

僕の場合だと自己紹介の場でこう伝えた。
「相手の気持ちを理解したり、臨機応変に物事に対応するというのは子供の頃から苦手です。社会人になっても飲み会などでは全く気の利いたことは言えません。でも、綺麗な資料を作ったりエクセルVBAで業務を効率化したりすることは得意です」

このように、自分の弱み正直に言い、その後に自分の得意なことを伝えることで面接官には僕たちが自信と覚悟を持っているように映り非常に好印象だ。

次に大事なことは「自分の黒歴史を正直に話すこと」

「子供の頃は、校庭でドッヂボールをするよりも、図書館で籠もって図鑑を読み続けたり、一人で田んぼにおたまじゃくしやザリガニを取りに行ったりすることが好きな子供でした。」
「あまり友達はいなかったでしたが、レゴで延々と遊んだり、粘土を触るのが好きでした」
「高校大学を通じて友人はそれぞれ1人ずつしかいませんでした。」

上記の発言は僕が面接で「あなたは子供の頃どんな子供でしたか?」と聞かれた際に答えた内容の一部だ。

ちなみにこの面接では普通に受かっている。

「友達はいない」「協調性はない」と言ったことが容易にうかがえる内容だ。いわゆる「学生時代頑張ったこと」や「学生時代の自己紹介」でこれを言ったら受からないのではないか。と思われる内容だが、僕はこれでいいと思う。

僕ら発達障害は基本的に挙動不審だ。

そんな中で学生時代の経験を散々盛ったとしても違和感しかない。

だったら、正直に言った方がいいのだ。

なぜなら、あなたが黒歴史と感じていることが、人によっては「面白い経験をしている」という風に受け取ってもらえることも十分に考えられるからだ。

三つ目に大事なことは「安請け合いしないこと」

なんでもやります!頑張ります!気合でなんとかします!

と言った方がやる気があるように見えるかもしれない。だが、僕はこの方法は微妙だと思っている。

なぜならこれまでやってこなかったことを自信満々に言われても不信感しか、感じないし、面接に受かるためにあざとく行っているだけに感じるからだ。

それよりも「出来るかどうかわからない」と正直に言った方が僕はいいと思っている。

僕も、面接で「営業に興味はないですか?」と聞かれたときに

「空気が読めないし、これまで営業をやったことがないから正直出来るか不安です」と答えた。

それでも受かっている。

大事なのは自分の気持ちに嘘をつかず、正直に話すことだと思う。

まとめ:発達障害のあなたは正直に話していい

一番言いたかったことはこれだ。

特にグレーゾーンの方は、過剰適応の傾向があるからか「こんなことを言ったらどう思われるだろう」と考えすぎてしまい、萎縮してしまう。

だが、周りの人間は僕たちの思った以上に適当に話している時があるし、正直に自分のことをさらけ出せる人の方が好かれている。

嫌われまいと自分を隠せば隠すほど、とっつきにくいと思われて避けられるように思う。

だからこそ、面接でもそうだし、会社で働き始めてからも自分のことをオープンにするという意識は持っていて欲しい。

空気が読めない、おっちょこちょいと言った自分の短所をあらかじめ言っておく方が気持ちも楽なのだから。


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