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ドラムを運動にカウントしない脳

私の音楽人生はお年玉から始まった。

何の事やらわからないと思うが、脳をシェイクするのが大好きな私の習性だと思ってもう少しお付き合いいただきたい。

あなたはテストで「0点」をとった事があるだろうか?

2点とか10点ではない「ゼロ」だ。

漫画やアニメの描写では良く出てくるかと思うが、リアルの経験での「0点」だ。

あるだろうか?

大人になったらわかるが、実際、採点をする立場だったら、何かを一生懸命解答をしている生徒に対して「ゼロ点」をつけるのは勇気がいるものだ。

HSP気質が発動している私がもし先生なら、たぶん「0点」として本人に渡すのはかなり躊躇ってしまう。

そんな「ゼロ点」だ。

どうだろう?経験がある?ない?

私は

・・・

・・

「ある」のだ。

音楽のテストで「0点」の解答を手に取った感触を今でも覚えている。
ふざけて白紙で提出したのでは無い。全力で書き綴った解答用紙に「0」がついているのだ。

当時スマートフォンがあったらすぐ写真を撮っていただろう。
「0点」の解答なんて、ちょっとした田舎町のニュースだ。

「音楽」という授業のテストの点数では恥の多い人生を送っている私だが、音楽好きとしての自分の時間では、幸福度がすこぶる高い。

成績表が悪かろうが、音を楽しむことに関しては幸せいっぱいなのだ。

そんな私は冒頭で触れた「お年玉」という手段を用いてドラムを手にすることになる。
小学生高学年の時だ。

その時は我が国も経済が好調だったので、結構もらえたのだ。お年玉が。

小学生でも何年か分を足しらたら10万円を超えるドラムセットが買えたのだ。

まだまだ伝えたい背景はあるが、いったん省略して、とにかくドラムが家にある小学生時代を過ごした。

何度も挫折した。
出来ない自分を直視した。

でもまったくやめる気配がない。自分にフィットした「好きなこと」を見つけた時ってそういうものだ。

そして人並みに「ウマイ」と言われるようになる頃、ある気づきがあった。

上達するにつれて運動量が減っている。

練習すればするほど、「スタミナがつく」のでは無く「楽に叩く方法を身につけている」という感覚なのだ。

そのあたりから、「ドラムは運動したうちに入らない」という決めつけがうまれたのだろう。

そうこうしているうちに、パートが変わり、ドラムは「叩けるよ」程度のポジションになった。

ブランクがある中で、先日久しぶりにドラムを叩く機会があった。

息が上がった。筋肉痛にもなった。明らかに疲労感ががあった。

スタジオに入れるだけで嬉しくて、お金さえ許されるなら何時間でも叩いていられた当時の自分がいなかった。

あれ?十分運動になってるぞ、ドラム。

色々な「脳の騙し方」があるが、ドラムに関してはねじれまくってバグっているようだ。

数ヶ月後に、ドラムでステージにあがるライブ本番がある。

その日まで黙々とドラム練習を行う予定だ。
練習した日は、「今日は運動したよ」と堂々と日記に綴ってみよう。

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