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感情を許すということ②~共感することとNOを伝えること~

こんにちは。臨床心理士のゆみこです。

「感情を許すということ①」の続きです。

まだの方は、↓の①を読んでからこちらの記事をご覧ください。


自分に感情を許すことで広がった心のスペース


 私が私にあらゆる感情を「感じるままに感じていいよ」と受け入れられるようになったことで、私の中のスペースは広がっていきました。



長男・長女が幼かった頃に感じていた困難さは今はなく、次女・三女が「魔の2歳」に突入してからも、私の中には、着実にあたたかく見守ることができる余裕が育っています。
 
感情に翻弄されたり、振り回されることも少なくなってきて、10年前に比べて、子育てもだいぶ楽に感じています。

地道な癒しのチカラって大きいなぁ~。

こどもたちに鍛えられ、こうして親も育っていくのですね。

こどものけんかのエピソード


先日、次女と三女との出来事で皆さんにもシェアしたいエピソードが起こったので、紹介させてください。
 
現在、小1の次女と幼稚園年中の三女は仲良しさん。
(注:コラム発信時の年齢)
けんかもよくしますが、いつも一緒に遊んでいます。
 
二人とも、工作するのが大好きです。
 
あるとき、次女から「この空き箱、使いたいから、終わったら私にちょうだい」と言われて、使い終わったら次女にあげる約束をしていました。
 
次女が首をながーくして待って、先日、ようやく使い終わった箱。
 
それを見つけた三女が今度は私に言います。
 
「ねぇ~~~。これ、ほしい!!!ちょうだい!!!!!」
 
私は、次女にあげる約束をしていたことを三女に伝えると、癇癪を起して暴れ出しました。
 
「やだやだやだ~~~~~~!!!!!!!」
「これ、ゆーゆ(三女)がほしいの~~~~~~~!!!!!!!」
 
それを見た次女が私に、悲しそうな声をしてこんな風に言ってきました。
 
「えー?みーみ(次女)がもらう約束してたんだよ!?」

それから、目の前で、大暴れで強烈にアピールする三女を見ながら
 
「はぁ~~~(ため息)。ゆーゆがほしいなら、もういいよ。
ゆーゆにあげる・・・・はぁ~~~~(ため息)、もう・・・」と次女ちゃん。


 
皆さんは、こんなとき、親として、どんな対応をしますか?
 
以前の私だったら、きっと、次女の申し出をありがたく受け取り、次女に『我慢』をしてもらい、三女に空き箱をあげていたと思います。
 
原家族から引き継いだ「姉はほしいものを我慢すべき」という暗黙のルールが無意識で発動していたからです。
 

こどもに「共感」を向けつつ、「NO」を伝える


だけど、今回、私は、三女の感情にも、次女の感情にも共感しつつ、「NOはNO」と伝えることを意識してみました。
 
三女には「あぁ、ほしかったんだね~。でも、これは先にみーみ(次女)にあげるってママが約束してたんだ。

ごめんね。だから、今はゆーゆにあげることができないの。残念だったね。悲しいね。

また、今度、空き箱がでたら、ゆーゆに一番であげるからね」と伝えました。


次女には「先にみーみにあげるって約束したから、これはみーみにあげるよ。
 
みーみも悲しかったね。
ゆーゆが怒っても、それはみーみのせいじゃないよ。
みーみも欲しいものは欲しいって言っていいし、あきらめなくていいんだよ。
次の空き箱はゆーゆにあげることにしたから、みーみはこれで工作していいよ。」と伝えました。
 
まだまだ三女は怒っていましたが、しばらく見守っていると、そのうち、次女が作った工作で一緒に遊びだしました。

その姿をみて、何だかほっこり、とっても嬉しくなった私です。

 今まで、私は「感情を許す」ということと、「ダメなものはダメ」と伝えることの両立が成立することを知りませんでした。

 NOを言うときは、ただNOを言い続け、強くあらねばならないし逆に、気持ちに寄り添うときは、その行動も許さなければならない。 

そんな信念が長年、無自覚で私の中にあったから、長男・長女の幼い時はあんなに苦しかったんだと気づきました。

「共感」と「しつけ」は両方、たいせつで、同時に与えることができるという理解は、我が家の育児にとって大きな気づきだったと思います。
 
もちろん、まだまだうまくいくことばかりではありませんが、いつでも「ここ」に戻ってきたいなぁ。


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