ブルベ復帰のためのジムトレーニングメニュー
この文章は ロードバイクアドベントカレンダー2023 16日目の記事になります。
15日の記事は「NなAおO」さんの「韓国一周2030kmを走りました!」です。
■要約
自転車にしばらく乗ってなくても、1年くらい筋トレすれば国内の400kmくらいまでのブルベは完走できる(かもしれない)よ!楽しんでね!
■注意事項(だいじ)
以下の文章の内容に「正しさ」を求めないこと。なぜならば;
あなたの心と身体の事はあなたにしか分からない。「正解」が必要ならパーソナルトレーナーと契約して適切な指導を受けることを勧める。自分もそうしたい。
ブルベに参加することが自己責任であるように、どんな情報を参考にするかも自己責任において取捨選択して欲しい。何をやってもやらなくても、規定時間以内に決められたコースを走り証跡を提出できればそれがあなたの「正解」なのだから。
最近好きになった言葉。
「他人のレシピは他人の物語から生まれたもの。でも本来、料理は自分の人生から生まれてくるものです」
(土井善晴「味つけはせんでええんです」冒頭)
以下の雑文が、皆さんが自分だけのレシピに辿り着くための参考になれば嬉しい。
■これまでのあらすじ
高血圧とコロナ禍と加齢とでどんどん自転車に乗れなくなった私(仮名)は2022年久しぶりに走った200キロブルベで完走できなかった!
いくら獲得標高高めのコースだったからってちょっとなー、と珍しく自省した結果、今までやる気もなかったし嫌でしょうがなかった「基礎筋力の底上げ」をしないともうダメだと観念したのだった。
■これを書いている人のスペック
ぱっとしない体型。ヘマクリット値は低め。血圧高め。筋力並やや下。
幼少時の環境のせいで階段上りは苦にならない。運動部経験なし。
筋トレと努力と「ガンバル」という言葉は嫌い。
いつでもどこでも10分間眠って起きられるのが唯一のアドバンテージ。
讃岐造と同年代と知って、いよいよ焦るくらいの年齢。
■ジム選択のときに考えたこと
パーソナルジムは敷居が高すぎるイメージでパス。高そうだし
自宅の近くにあること。着替えと替えの靴を持って通勤するとかちょっとね。
近々に引っ越しがあるかもしれない(当時)ので店舗数が多いこと
(実際引っ越しをしたのでこの判断は正しかった)
24時間やっていること(18時~23時に空いててくれればいいんだけど)
雰囲気がニュートラルであること(体育会系のノリは苦手)
…という基準でエニタイムフィットネスを選択。チョコザップは近所になかった。
■トレーニングメニュー
ネットの記事を参考にしつつ、全部我流。下半身、腸腰筋、背筋も少々。
腹筋とか大胸筋とかはあまり鍛えてない。
体幹ローラーもやった方がいいんだろうけどやってない。
バイクよりトレッドミルの方が効果があるとどこかに書いてあったので有酸素系はトレッドミル一本に絞った。
最近のある日のメニュー:
レッグカール(太ももに効く) ウェイト40+2.5 20回×2
レッグエクステンション(太ももに効く) ウエイト47 20回×2
シーテッド・ロー(背筋に効く) ウエイト47 10回×3
プルダウン(背筋に効く) ウエイト40 10回×3
トレッドミル(心肺機能に効く)
ローリングヒル(傾斜がランダムに変わる) 6.0km/h 30分
名前を挙げた機器はどれも超メジャーなのでたいがいのジムに置いてあると思う。
ちなみにちょうど1年前、始めて3か月弱ではこう:
レッグカール ウェイト26 20回×3
シーテッド・ロー ウエイト26 10回×4
レッグエクステンション ウエイト26 20回×3
アブドミナル(腹筋に効く) ウエイト27.5 10回×1
※ほかの機械が混んでるときにたまーにやる。1年後の今はウエイト35
トレッドミル 傾斜12% 4.5km/h 20分
遅い足取りながら、1年経つとすこーしウエイトが増えているのが分かる。
これに加えてヒップ&グルートという機器で太ももの内側(腸腰筋のあるあたり)に負荷をかけるのを半年ほどやってるけど、ほぼ間違いなく機器の正規の使い方ではない(本来はヒップアップに効く機器だし足の掛け方も教習動画とは違う)のでお勧めしないしやり方もここには書かない。ちゃんとした人に聞いた方がいい
なんでイレギュラーな機器運用をしてまで腸腰筋にこだわるかというと、一度だけハムスタースピン主宰の福田さんのセミナーに出て筋膜リリースと腸腰筋トレーニングについて座学をさせてもらったから。世間で腸腰筋とかインナーマッスルとか騒がれるようになる何年か前の話だったと思う。実践はできてなくても教わったことは執念深く覚えてるもんで、マシンの形をみて「これ!腸腰筋に効くかも!」と閃いた次第。
「ロードバイク スキルアップトレーニング」、買ったっきりで放置していたけどジム通いをしてしばらくしてから読んでみたらものすごく分かりやすく読めた。
ここに書かれている内容を実践するのは大変で未だにやれていないけど、自分の体をどう動かしたら効率が良くなるのかを知る良い資料だと思う。紙の本は入手困難らしいので電書で買おう
ジム1回につき 1~1.5時間。それ以上はやらない。プロテインを300㏄ 飲む。
全部我流なので、これがロードバイクにとってベストのメニューかはさっぱり分からない。男の子なので見栄っ張りな目盛りの重りを選びたくなるけど分不相応な重量だと本当にバーがびくともしなくなるので秒で諦める。筋肉を痛めるだけだし、継続のモチベーションに大いにかかわるのでここは慎重に。
フルスクワットも奥が深い。メニューに取り入れてみようかな…
■継続の秘訣(そんなものは無い)
始めて以来週2~3回。特段の理由が無い限りずっとこのペース。
なんで続いてるんだろう?自分でもよく分からない。
1)帰宅してからツレに「今日は(ジムに)行く」と宣言する
2)プロテインを水に溶かす
3)着替える。タオルとプロテインをカバンに入れる
(エニタイムの入室用キーはいつも同じカバンに入れっぱなしにしてある)
4)ジムに行く。ルーチンと決めたマシンを順不同で動かす
5)トレッドミルをやりながらソシャゲをやるかTwitterか文庫本を読む
※『マシン操作中はスマホ禁止』が、いま通ってる店舗のローカルルール。
過去に色々あったんだろう
6)マシン種別/強度/回数を日記アプリとSNSに記録する
上記繰り返し。前回の筋肉痛を引きずってる時は、頻度を落とすか強度・回数を減らす。特に(6)はトレーナーが居ない自分にとって大事。都度忘れるので、「前回どうだったっけ」とほぼ毎回読み直してる。
手帳に色々書き込んでいる風の方も時々見かけるので、記録をつけることは結構重要なのだろう。
3の法則、というのがネットで良く引っかかる。3週間続ければ習慣化して、
3か月続ければ成果が出て、という。あれは「3」という数字の据わりの良さにひっかけただけの、何の根拠もない妄言なので忘れた方がいい。
3週間続けたのがぶっつり途切れた事なんて、何度もある。
自分の場合は
・目標を
「1年後の100周年記念400kmブルベ完走に耐える筋力を獲得する」に絞ったこと
・やった内容を記録し続けたこと
・このマシンをできるだけ毎回触ろう、というルーティンを作ったこと
(順番待ちになったときは、使ったことのない機器を体験してみる)
・1週間ジムに行けなくても行ける日に行くこと
(ああ途切れてしまった、もうダメだ、とか思わない)
・短期的には成果が出ないのが当たり前だと思うこと
・ネットのすごい人たちと自分を比較しないこと(とても大事)
・特にトレッドミルは退屈しかないので暇つぶしの手段を用意すること
これくらいは実践した。「かったるいなー」と思いながら帰宅した日もしょっちゅうなので、なぜジムから足が遠ざからずに済んだかは正直謎。
400kmブルベ完走までにどうあがいたかについては別の文に書いたので、
気が向いたら併読されたい。ていうか読んで。是非
■ジムという場所の効用
ダンベル買えばいい、と思うかもしれない。
自分もそう思ってたのでダンベルも体幹ローラーも縄跳びも家に転がっている。
そして全く使ってない。「ダンベルを安心して上げ下げできるスペース」を家の中で確保するのはトレーニング用品を買い込むより難しい。
具体的には四畳半くらいの広さで家具が無い空調の効く部屋を1つ*常時*確保できますか?という話。ジムの一番の効用は
「ジムトレーニングをするしかない場所」にわが身を置けること、だと思う。
■心身にどんな変化があったか
ジム通いを始める前は「体を鍛える」ということについていまいち具体的なイメージを持てずにいた。何故なら自分自身の身体を全く信用していなかったから。
つまらん自分語りをほんの少しだけ。小さいころは体が弱く、何かというと寝込んでいた。うわーいと屋外ではしゃぐと速攻で熱発したちまち入院加療、という子供を育てる親の気苦労はいかばかりだったろうかとこの歳になってようやく想像できるようになったけど、当時は Nintendo Switch どころか ゲーム&ウォッチ さえ世に出る前の原始時代だったので、一旦寝込むと天井の木目を目で追いながら妄想力を鍛えるくらいしかやることがなく、お陰で子供の頃のことはあまりよく覚えていない。なので自分がやせっぽちで足が遅いのは「しょうがない」、学校でやらされる体育の授業とか全く好きになれないのも「しょうがない」、野球のルールを覚える機会もなくまともにボールを投げれないのも「しょうがない」、集団で遊ぶのと縁がないのも「しょうがない」と、年の割には色々なことを諦めてきた。
なので、当時の平均よりは遅く、10歳を過ぎてから乗るのを覚えた自転車で第一京浜を走って東京まで行けるようになった時の驚きと喜びは大変なものだった、と思う。あまりよく覚えてないけど。第一京浜、第二京浜はひところよく走った。逆に他の道はほとんど知らなかった。親に話すと心配されたり怒られたりするので、当たり障りのないご近所を自転車でぶらぶらしてる体を装ってた。
時が過ぎ、自転車にさっぱり乗らなくなり、ブームに乗ってMTBを買い直し、物足りなくなってロードバイクを買い、ライドイベントに参加するようになり、その後ブルベを知った。知らん場所へ強制的に行く状況にわが身を置くのはとても新鮮で楽しかったけど、十分楽しむために必要な基礎体力を把握しないまま闇雲にエントリーし続け、そして冒頭の状況に至る。
筋トレを半年ほど続けた後の200キロブルベでは、あれほど苦手だった何キロも続く直線道路を一定速度で走るのが苦にならなくなっていた。なかなかヘタれなくなり、もしかしたら平均速度もちょっと上がったかもしれない。重要なのは、これまで自分の身体を一切信じないできた自分が「いや、もしかして筋トレ続けたらもうちょっと何とかなるのでは」と思えるようになったこと。試していないけど、今なら千葉房総のフラワーロードとかも途中でヘタレずに走れるかもしれない。
あと今までやろうとも思わなかった前傾姿勢を取るのが苦にならなくなってきた。すごくロードバイクっぽい!カッコいい!とはいえ町中では前をちゃんと見てないと危ないので、あまり試す機会はない。
体形は悲しいほど全く変わらない。
むしろ腹回りが出っ張ってきた気がする。体幹がしっかりしてきた!のか?
単なる中年太りでは。
■定量的効果(らしきもの)
2022年9月 ジム通い開始
2023年3月 オダックス近畿 BRM311秋葉原200(表)完走
ただしリミット5分前 ここまでの累計ジム回数63回
9月 R東京 BRM923東京400センテニアルぐるっと首都圏 完走
ここまでで累計108回
(7月のAJたまがわBRM722奥久慈400はDNF)
■雑感と締め
ジムの継続率については2016年にリオデジャネイロで行われた(らしい)調査結果を元にした「1年後も継続している人は3.7%」という数字があちこちのフィットネス系ブログで使いまわされているせいで「実際のところどうなの」という所がいまいちよく分からない。1年後の継続率はばっくり1割未満、くらいか。
1年良く続けたね、オレ偉い!すごい!と言おう。
たかが400km完走に何を大袈裟な、と思われるのも「しょうがない」。
でも、まあ、自分は今ここに居るので。この先どこまで行けるかわからないけど、周回遅れかもしれないけれど、続く限りチャレンジは続けていきたい。
最後に。
一人暮らしのままだったら筋トレとか絶対続かなかった。
適度に尻を叩いてくれるツレに圧倒的感謝。いつもありがとう。
皆様が良いクリスマスとお正月を過ごされますよう、お祈り申し上げます。
地には平和を。
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