ミニマリズム(文学の方)

ミニマリストって、そもそも、文学なんです。大学の英米文学科の学生だったころ、レイモンド・カーバーのすごく短い小説、何も起こらないようで、ちょっと深い、その世界の切り取り方に衝撃を受けたんです。

人生のひと匙を小説にしちゃうんです。

初めて読んだ話では、家の庭でガレージセールをしている男。パートナーと別れて悲しい。そこに何かを買いに来た女性と、どういうわけか、庭でチークダンスする。そんなストーリーだったような。

よかったなあ。

誰の人生も小説になるんだな、と思ったものです。文学とは、ものの見方、という名言も。

先日、若手と中華料理を食べたんです。なかなかのインテリ教師。その時、「反復と差異」なんて言葉が飛び出したんです。

人生は、反復。でも、繰り返すごとに差異がある。そこに気づけるかどうか、そこがキー。

ふむふむ。

みんな毎日同じようなことをしているんです。人生の大半は日常ですから。

でも、ミニマリスト(文学の方)のように、日常の風景から、かけがえのないひと匙をすくいとれるかどうか、ここが勝負。

よし、ミニマルぞ。文学の方もね。

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