ナルコレプシー6

お薬の服用を始めても、なかなか良くならないあっちゃんの脳みそ。

不眠に過眠の毎日。

それにより疲れていく身体。つかない体力。よって働けないで、疲れ行くだけのただ、ただ気怠い身体。

その頃のあっちゃんはもう、廃人同然だった。

お出かけはママちゃまが一緒でないと、眠りながら歩いてしまうので、手を引っ張ってもらわないと、とても危険。

それよりもあっちゃんを悩ませたのは、「情動脱力発作(カタプレキシー)」だった。

笑う、喜ぶ、驚くなどの強い情動により、急に起こる一時的な脱力発作。発作中も意識はあり、症状の加減も人それぞれ。

だけど、あっちゃんはMAXだったのだ。

頭のてっぺんから、足の指の先まで脱力で力が抜けてふにゃふにゃになっちゃう。顔面もろれつは回らず、視点も合わなくなり、よだれだって垂らしてしまいそうになるから、恥ずかしくてたまらない。

それにミニスカートが好きなあっちゃんは、倒れるとき、どうしても顔を隠そうとするからパンチラしてしまう・・・。(笑)まぁ、一応ペチパンを履いているからまだイイけど!!

気を付けないといけないことは、頭を床に打ってしまうこと。

どうしても人間の身体は頭が重たいから、首が脱力した際にガクンと後ろにひっくり返り、強打することもある。

酷かったのは、明け方に1階から自分のお部屋のある2階へと戻ろうとしたとき、階段半ば過ぎたあたりで脱力が始まってしまった。すかさずあっちゃんは階段にへばりついて、このまま治まって!と願ったがひっくり返り階段を下まで一気に落ちてしまった。一瞬、意識を失った。目を開けるとママちゃまが慌てた様子で、「大丈夫?救急車呼ぼうか?」と言っていた。

急に意識が戻ったあっちゃんは、何が起きたか一瞬わからなかったけれど、頭の側頭部の痛みに全てを察知し一瞬間をおいて、ビックリしたのと痛みにママちゃまに抱きついて大きな声で子供のように泣いた。

レントゲンを見て思わず笑ってしまった。

右側側頭部だけが、大きく膨れ上がっていた。(笑)

打撲で済んだが、そこで初めて「脳梗塞」のけがあることと、すでに糖尿病であることを告げられた。

摂食障害で痩せた身体が、その時には90Kgあったのだから、納得してしまった。

落ちて良かったのかもしれないネ!!なにかご先祖様からの合図だったのかな?

結局、この「情動脱力発作」は、どんどん、どんどんお薬を強くすることでおさまってきた。

あっ!朝、起き上がりにも倒れて自分のお部屋のガラスも1枚割ってしまったな・・・(笑)

痩せていたら割れなかったのかなぁ?

あっちゃんの悲劇はまだまだ続くのだ・・・。

 つづく・・・。


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