見出し画像

田舎暮らしで苦労していること<小さなことからコツコツと>

東京から田舎へ引っ越して2年半。だいぶ山のふもとでの暮らしにも慣れたなーと思っているところ。
旬の食べ物はおいしいし、季節ごとに変わる空の色や風のにおいには相変わらずうっとりさせられる。自然を身近に感じる生活を満喫しているところだけれど、やっぱり「あ・・・甘かったなーーー」と思うことは度々ある。当然、憧れていたようなキラキラした田舎暮らしばかりではない。
ショックを受けたり悩まされたりすることもあるけど、やっぱり楽しいなと思う今の生活。でも、田舎ってどんな生活なんだろうと想像している方のため、そして自分の覚書としてもどんなことに悩まされているのか、ちょこちょこ紹介します。

みんなの悩みのタネ

この夏、悩まされたのは草刈り。今住んでいるお家は、空き家を借りて住んでいるのだけれど住み始めて2度目の夏。向かいには川、その向こうには田んぼ、そして山、家の裏にはまた山という、町内でも「山の奥の方」と呼ばれる地域に住んでいる。
去年は、住む前に片付けをしたときに草刈りを1度行った。町内のみなさんは、庭の手入れにとても気を使っている。芝に生える雑草はしっかり抜くし、塀の苔まで気にしていて、「ほったらかしにしたらお隣さんに笑われる」と笑いながらも結構本気の様子。
私は、「緑に囲まれていてすてき!!苔もかわいい!!」なんて思っていて、草なんて刈らなくても大丈夫、除草剤なんてもってのほか!と、このまま木になるんじゃないかってくらい草が伸びてもそのままにしていた。冬がくると、さすがに枯れ始め寒い間は草のことなんて忘れていたんだけれど、やっぱり暖かくなり山で木々が芽吹く頃、雑草もしっかり生え始めるのだ。

好き放題していた結果、夏に衝撃

草刈りしなよーーーなんて言われながらも、大きくなった草だけ切ってごまかして過ごしていたんだけど、真夏のある日庭に干していた洗濯物に蜂が群がっていた。小さいミツバチサイズが何匹かと、大きな・・・これはもうスズメバチなんじゃないか・・・というような蜂が、私の黒いTシャツやら靴下やらの周りをブンブン飛んでいる。山や公園で蜂に遭遇しても「大人しくしている方が攻撃されないんだよ」なんて言って平気な方だったけど、群れをなしている蜂はとてもおそろしい。しかも太い羽音のする大きい蜂はきっとスズメバチ・・・あれは専門家に取り扱ってもらう危険なやつ。殺虫剤もなにも持っていない状態で立ち向かうのは無謀すぎる。Tシャツや靴下はもう蜂の巣窟になってしまったから諦めようと心に決めて、見て見ぬ振りをした。

その日の夜、おそるおそる確認してみたらどうも蜂の姿が見えない。これはチャンスなのではと、長袖長ズボンを着て洗濯物を取り込んだ。どこかでみられている恐怖を感じながら無事に洗濯物を奪還できた。
この安堵と達成感の勢いで、もしかして蜂を退治できるのではないかと強気になり、蜂について調べてみた。


蜂が巣を作り始めるのはだいたい6〜8月。9〜10月になると子育てが始まりとっても凶暴になる。夜や雨の日は行動しない(種類によっては行動できるものもいるので注意)。巣の駆除をするなら明け方や暗くなってから、防護服を着て行う。懐中電灯を用意する必要があるけど、光に反応するため赤いセロファンをかぶせておく。スズメバチは危険なので業者に相談する。

自治体によっては、頼めば役所の人に駆除してもらえるみたいだけど私の地域は該当しない。専門業者を調べたら、だいたい8000円〜でスズメバチの場合は50,000円。専門性が高さがますます蜂の怖さを煽られる。けど、懐中電灯に赤いセロファンかぶせるのも防護服を用意するのもめんどくさいし、こわい。

対策を講じる

今度はtwitterで聞いてみたり検索したりしてみた。
案外みんな自分たちで駆除するのが毎年のことのようだったのと、同じように山で暮らす方から「ゴキジェットプロで早めの対策!窓から手だけを出すテクニックで撃墜!うちは自分たちでやってるよ!」とアドバイスをいただき、ちょっと勇気が出た。さっそくアマゾンでゴキジェットプロを発注し戦いの時を待った。

夜は自分も見えないのが不安だったので、決戦は雨の日。
夕方のそんなに暗くない時間で、ザーザーと雨が降る日「今しかない!」と、長袖長ズボンにパーカーのフードを被って、長靴を履いて挑んだ。
説明書の通りに巣に向かって発射。ぶおおーーーー!!とプロ感のある勢いで、蜂の巣は白いもわもわに囲まれる。雨はザーザー。もう1回噴射。すると大きな蜂が巣から出てきた!こわい!蜂に向かって発射するけど届かない。こちらに向かっては来ないけど雨の中でも全然飛んでる。もう1回巣に発射して、様子を見る。また蜂がかえってくる!でも蜂にスプレーは届かない。
カラカラ・・・スプレーが尽きてしまったことを言い訳に、私は蜂との戦いを放棄した。そこからしばらく雨が続いて、洗濯物を外に干すことも庭に出ることもなかったので蜂の姿は見なかった。たまにブーーーンと飛んでいるように見えたけど、休戦中ということにした。

ただ、草を刈った。大雨の蜂が活動していなさそうな日に、枝切り鋏で思い切り草を刈った。ご近所さんたちのようにきれいにはできていないけど、私のなかでは大きな第一歩。

頼りは田舎暮らしのベテラン

その後、近所の人に話ししたら気にかけて夜に様子を見にきてくれた。長い棒と、ヘッドライト、格好は軽装、すぐに家の中に逃げられるようドアの鍵は開けておく、と準備を整えて(軽装だけど)いざ!!

「あ、これ泥蜂(どろばち)だよ」

持っていた長い棒で巣をつついてみても蜂の様子はない。スズメバチが巣を作っているんだと思っていたけど、実は軒下の隙間に作っていたので全貌がよく見えていなかった。

ドロバチというのは、泥や土を使ってつぼ形の巣を作る蜂で、単独で行動して、毒針は持っているから気をつけなくてはいけないけどあまり攻撃性はない。

よく見てもらったら何個も巣を作っていたんだけれど、スズメバチに攻撃されてどの巣にも蜂はいなかった。スズメバチは他の蜂を攻撃するんだ・・・。そして何個も巣を作られていたんだ・・・。草刈りもぼーぼーに生えているから、隠れやすいし獲物もくるし、巣を作るのにとってもよかったんだろうな。

とにかくもう大丈夫というのが分かったから、時々ブーーーーンと羽音が聞こえてもこわくなくなった。洗濯物に何匹か飛んできていることもあるけど、もうこわくない。攻撃しなければ大丈夫。気をつけていれば大丈夫。草刈りするときなんかは十分に注意する必要があるみたい。

身の丈に合った暮らし

田舎での暮らしはひとつひとつ繋がっていて、例え小さなことのようでも後々に自分の生活に影響してくるところが面白い。自分の暮らし方を振り返らざるをえなくなる。厳しい思いをすることもあるけど、自分の力を過信せず自分にできる範囲の暮らしが見えてくる。だから生活のために助け合いが必要という部分もよくわかる。「田舎暮らしって楽しいばかりじゃないでしょ」とは言われるけど、楽しさの向こうにある大変さの、さらに向こうにある楽しさという、一言では言い表せないものがある。この向こうにまた厳しさはあるのかもしれない。ただ、またその向こうには楽しさがあるんじゃないかなーーなんて、思えるようになってきたかもしれない。これは、だいぶ田舎暮らしに慣れてきた証拠だなー。

田舎暮らし3年目で気づいたことは、
・気にならなくても庭の手入れはする
・蜂は雨の日と夜には活動しない
・スズメバチは大きな羽音でまっすぐ飛ぶ

庭のお手入れはほんとうにした方がいい。1年目は大丈夫でも、2年目3年目と経つごとに主導権が変わってくる。肝に命じて、これからはちゃんと草刈りします。なるべく。

画像2

こんな風になる前に、ね!

読んでくださってありがとうございます。精進料理がきっかけで移住したと言えるくらい精進料理の世界にはまっていますが、食べるものはなんでも好きです!四国は野菜に果物、お魚などおいしいものがたくさんあるので、食べものに使わせていただきたいと思っています。レポートします!