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【発達障害の診断を受けるには】病院との繋がり方/合理的配慮への第一歩

極端に視力が低い、身体的に何かしらのハンディキャップがある場合は、その担当科の病院へ受診すればよいのですが、発達障害の場合は、そもそもどの病院に行ったらいいのかわからないですよね。

小学校までは休むことが多かったため学習が遅れていたASDの娘も、合理的配慮によって中学校は登校できることも多くなり、家庭学習によって学力も少しずつではありますが上がってきています。

では、どうすれば配慮をしてもらえるのか、そもそもどうやって病院と繋がればいいのかわからないため、発達障害の診断が出ておらずお困りの方もいらっしゃるかと思うので、病院の探し方について実体験を元に触れていきます。

↓前回記事↓
【学校での合理的配慮】娘の合理的配慮が許可されるまで

【病院の見つけ方】

◆役所へ相談

担任の先生、もしくは学校や幼稚園、保育園に巡回しているカウンセラーの方に相談するのが、一番手っ取り早い方法です。が、

「これくらい大丈夫ですよー。個性個性」

などと言われ(田舎あるある)、取り合ってもらえないことも地域によってはありますよね。

ここでその言葉を信じたくなるのはめちゃくちゃわかるのですが、今後、困る状況になるかもしれないのは子どもです。冷静に、前向きに一歩を進めましょう。

学校関係で病院と繋がらなかった場合は、お住いの地域の役所に「こども相談・健康課」や「家庭児童相談課」といった名称の課はありませんか?

そこが公的な子どもの発達相談窓口です。

地域によって名称が変わっていることもあるので、ご不明な場合は一度役所に「子ども発達相談をしたいので、担当窓口を教えてください」とお問い合わせしてみてください。

相談をすると、担当者が子どもと面談をし、必要と判断されれば病院を紹介していただける流れになっています。


◆保護者が病院を探し予約する

学校関係もだめ、役所もだめだった場合、直接病院に電話をして予約を取る方法もあります。

ネットで病院を探す際は、

「WISK-Ⅳ 〇〇県」
「発達障害の診断ができる医療機関 〇〇県」
「小児神経科 〇〇県」「児童精神科 〇〇県」
といったキーワードで検索します。

16歳以上の場合は「WAIS-III 〇〇県」で検索しましょう。

最初の病院=診断を受ける病院は、出来るだけ大きい病院がいいかと思います。

というのも、個人クリニックですと、診察ができても診断が出来なかったり、先生の専門外は診療領域に入ってなかったりするので(例えばADHDはOKだけどLDは不可など)、情報が少ない最初の時期は大きい病院が無難です。

診断がおりて対応策がわかったところで、近くの通いやすい個人クリニックを紹介してもらうという方法がベターではないかと思います。

私の場合、一番最初の病院が国立病院だったので県内最大級、診療できない領域はなく、すべてが揃っている病院でした。

そのため、最初の予約に約2ヵ月を要し、その後の通院も1ヵ月~2ヵ月に1回のペースと、何もかもに時間がかかるのがネックです。

そのため、一時期、近所の個人クリニックへの転院も検討したのですが、現在住んでいる地域が都会ではなく、病院数が少ないことと、今後何かあった時の対応などに少し不安があったため、今でも最初の病院にかかっています。

都会であれば、このあたりの選択肢が多いかと思うので、ぜひ調べてみてくださいね。


【娘の合理的配慮が許可された3つのポイント】

前回記事では、娘が合理的配慮を得るまでの実体験を流れに沿ってお伝えしました。

今思えば、私たちが合理的配慮を受けられたのには、3つのポイントがありました。

①小学校入学前に診断がおりていた

②小学生の間に適応指導教室へ入っていた事実

③聴覚過敏について、みんなの前で発表した


①の時、診断書と一緒に病院が作成してくださった「〇〇ちゃんに対する対応方法」といった文書もつけて提出しました。

ですが、実際小4までは何も配慮はなかったのです。理由は、本人に困り感がなかったからです。

親の困り感はありましたよ、もちろんバリバリ。ですが、学校での合理的配慮はあくまでも「本人の困り感」に対してのものになりますので、本人に困り感がない場合は対応してもらえません。

が、この早い段階での診断は、のちのち効果が出てきますので無駄にはなりません。1日でも早く診断を受けることをおすすめします。

②小5あたりから本人が困り感を感じるようになり、適応指導教室に入ったことで、すでに小学校でも大変だったんだよーという証明になりました。今思うと、この適応指導教室に入っていたおかげで中学校への配慮申請がスムーズになり、中学校側も許可しやすい状況だったと感じます。

周囲の話を聞いていても、その前の学校(中学校で配慮を受けたいのであれば小学校、高校で配慮を受けたいのであれば中学校)で適応指導教室や特別支援級に配属されているなど、合理的配慮をすでに受けていた、という事実がないと配慮の許可がおりにくい場合もあるようです。

ただし、注意点もあります。
実際、娘もそうだったのですが適応指導教室にはほとんど通っていません。理由などはまた別記事にする予定なのですが、端的に言うと本人があまり気に入らなかったんです。

なので、最初のうちは登校促しを行っていたのですが、12月ごろには無理に通わせることもしませんでした。

ここで別の不適応を起こしてしまうこと、二次障害をうんでしまうことの方が恐かったんです。

なので、この記事をお読みいただいている方で、適応指導教室に入れたはいいけど通学できていないと悩んでおられる方もいらっしゃるかと思うのですが、そこは気にしなくても大丈夫。

通えばラッキー、そうでなかったとしても適応指導教室に入っていたかどうか、それだけ困り感があったという証明ができるかどうかがポイントです。


そして③。周りへの配慮
他の教室で勉強や試験を受けるのなれば、「あの子だけずるいー」という、同級生の不満が出ることもあります。

そうなると、先生方も配慮したい気持ちがあっても出来なくなってしまいます。

娘の場合は先に別室対応が決まっており、すでに配慮を受けていたのですが、意見文を発表することで同級生たちが状況を把握、理解してくれたことで、その後の追加の配慮も通りやすくなったように思います。

【まとめ】

今回は病院への繋がり方、実際に合理的配慮を受けられたポイントについてお話しました。

合理的配慮は2016年4月より法制化されました。

発達障害の診断がなくても合理的配慮は受けられるとされていますが、現場感覚でお伝えすると残念ながら現実的には難しいところもあると思います。

診断書があれば、困り感について説明しやすいですし、診断書がなければ困り感があっても証明するものがないので、本当に必要な配慮なのかどうかの判断がつきづらいんです。

合理的配慮は「必要かつ適当な変更及び調整」のことであって、「理にかなった心配り気遣い」ではありません。必要性を訴えなければなりません。

まずは、周囲の大人たちからみて特性がないかを判断、病院で診断を受けておけば、実際に困り感が出てきた際、迅速に対応できます。まずは病院に行ってみましょう。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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