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ビビりなのにホラー小説にハマった

私はビビりです。
ホラー映画はあまり見ませんし、お化け屋敷は怖くて入れません。
肝試しは絶対にしたくありません。

ですが、怪談や怖い話をネットで検索するのはなぜか好きでして。
人間の怖さが際立つ都市伝説や、心霊体験などを寝る前に読んでしまい、眠れなくなることもしばしばです。

怖い物見たさってありますよね。
映像を見るのは厳しいけど、文章のみの恐怖であればむしろ好き、という私が最近読んだホラー小説の紹介をさせていただきます。

ちなみにホラー小説にハマったのは、加入しているKindle unlimitedで無料の小説を読み漁っていたのがきっかけです。

最近読んだのは、次の3作です。

・ぼっけえ、きょうてえ(岩井志麻子)
・黒い家(貴志祐介)
・リング(鈴木光司)

どれも本好きであれば一度はタイトルを耳にしたことがある、もしくは読んだことがある方も多い小説だと思います。

ネタバレにならない程度に、感想を書いていきます。
あらすじも知りたくない、という方はこの先は読まない方がいいかもしれません。

【ぼっけえ、きょうてえ】

岡山の方言で、「とても、怖い」という意味のタイトル。
4篇が収録されていますが、どれも面白かったです。
私は表題作が特に好きでした。

表題作は、明治時代の岡山の遊郭が舞台です。
女郎が客に寝物語を聞かせる、という話なのですが、妙にリアリティがあります。

女郎が一人語りするのですが、すべて口語体で書かれています。
文章中に客のセリフは一切入らず、女郎の話ぶりで客と会話しているのがわかるのですが、話にぐいぐい引き込まれます。
岩井さんの文章スキルに感動しました。

じっとりとした怖さが募っていく話ですが、怖い中にも人間の心の機微が描かれており、切なさも感じます。

個人的に文章の美しさが気に入った為、もう一度読み返したいと思う作品です。


【黒い家】

かなり怖い、という情報だけは知っていた小説。
内容は全く知らずに読みましたが、ページをめくる手が止まりませんでした。
結局心霊現象より人間の方が怖いよね、という話が好きな人にはおすすめです。

主人公は保険会社に勤務する青年です。
著者の貴志さんは小説家になる前に保険会社で勤務していたそうで、その経験が十分に活かされており、描写がとてもリアルです。

保険会社の実情が詳細に描かれているので、物語の世界に没入できます。
前半で保険会社を取り巻く日常がしっかり描写されているので、中盤から後半の非日常感が余計に際立ちます。

ラストはノンストップでページをめくりました。
今までホラー小説に手を出さなかったことを後悔するほど、この本は読んでよかったと思えました。


【リング】

言わずと知れた、貞子でお馴染みのリング。
私は小学生の時に映画を見ましたが、本当に怖かったのを覚えています。
今以上にビビりだったので、数日間ブラウン管テレビに近付くのが怖かったです。

この小説は映画の原作ですが、映画と設定が違う点が多々ありました。
大筋の流れは映画と同じですが、小説の方が貞子の呪いの謎解きについて丁寧に描かれています。

小説はホラー要素よりミステリー要素が強いという感じでしょうか?
ビビりの私でも問題なく読めました。

30年近く前の小説ですので、ブラウン管テレビやビデオテープという小道具自体に古さを感じますが、ビデオを介して呪いが感染していく、という設定はやはり秀逸だと思います。

映画では貞子のおどろおどろしい表現が目立ちますが、小説では直接的な恐怖シーンは少ないです。

なぜ貞子がビデオに呪いを残したのか、呪いが感染していく理由、などが映画よりわかりやすく書かれています。
エンタメとして、とても楽しめました。


最後に

ホラー映画は視覚的な恐怖や衝撃が強いですが、小説は想像力に委ねられるところが大きく、私にはちょうどいいと思っています。
想像力が豊かな人は怖さが増幅されるかもしれませんが。

心霊体験のような非日常の恐怖もいいですが、日常の中に潜む恐怖、特に人間の怖さを描いた小説が好きです。
自分もこのような恐怖を経験するかもしれない、と意識してしまい怖くなります。

紹介した3作は、今のところKindle unlimitedで読む事ができます。

もっと面白い本を探していきたいと思います。
ホラー小説でおすすめがありましたら、ぜひ教えてください。

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