Leica M10-Dは潔いカメラ
2020年の夏にライカM10-Dを購入しました。Leica M(typ262)からの乗り換えの購入。
薄くて憧れていたM10系でモニターが無い尖ったコンセプトのカメラ。
3年半ほどメイン機として使ってきたので忘れないうちに文章にしようと思います。
■ 特徴
絞りとピント以外はカメラ任せでオート撮影が可能なため、撮影までのスピードは他のデジタルライカと同じ。
違う点で言うとデジタルカメラでやりがちな『とりあえず撮ったけど露出が合っていなかった!何枚か撮り直し』の無駄な時間が、モニターレスのM10-Dでは発生しないので撮影体験は軽快。
とは言ってもそこは2018年発売のカメラ。
m6以前のライカフィルム機と違って露出補正の機能が備わっているため、潔くアンダー気味に撮影しておけば失敗は少なく済みます。
簡単に特徴をまとめると
・カメラ任せのオートで素早く適正露出にできる
+
・デジタルなので躊躇なくシャッターを切れる
+
・モニターレスなので無駄打ちをしない
フィルムとデジタルの特徴を併せ持っているのがM10-Dというカメラだと思っています。
サムレストや背面のダイヤルはフィルム時代のライカにインスパイアされていますが中身は所詮デジタルなので全てマニュアルで設定しない限りじっくり撮影するスタイルにはなりません。(私の場合)
ISO感度やシャッタースピードがオートにできるのにあえて使わないというのは人間なかなか出来ないですしね。笑
とはいえ画面が確認できない特性上白飛びは命取りとなるため暗めの-0.7EVの露出補正に設定し、明暗差が強い状況ではAEロックを使って空などの明るい場所に露出を合わせることで失敗しないように心がけました。
こんな撮影行為を3年半も続けていると別のカメラを使っていてもモニターを確認する癖が無くなりましたので、個人的に嬉しい成長です。(仕事だと致命的なミスを起こしそうで良くないですが。)
■物理的な操作ができる
M型ライカは電源OFF時でも露出、シャッタースピードISO感度を確認できるのですがそれに加えてM10-Dでは物理的に露出補正を操作確認ができます。最近の国産ミラーレスのように手ぶれ補正や瞳AFはありませんが撮影前から距離計を予め合わせておいたり、明るさや被写体に応じて準備ができるのは写真を撮るうえで良い癖づけになります。
まとめ
フィルムカメラのような体験を求めてM10-Dを買うならM6やMPなどのフィルムカメラを安く購入してフィルム代に充てた方が良いです。(M10-Dは中古で高騰しまくって110万くらいする)
モニターを逐一確認せずに軽快に潔いスナップをしたい。ストイックなライカのコンセプトを体験したいならサムレストもカッコいいし唯一無二。
フィルムでは厳しい夜の撮影もM10-Dは問題なく撮影ができますので昼から夜の飲み会まで活躍してくれます。
最後に
2024年になりLEICA M11-Dの噂がでてきました。ブラックペイントになる噂があったりサムレストは廃止になるんじゃないかなど色々情報が出てきています。近年いろいろな業界で加工時に有害物質が発生してしまう六価クロムを使ったクロムメッキやクロメート処理をやめる動きがてでおり、おそらくライカでも環境に問題のない三価クロムなどで代用したクローム処理に変更を試みたものの黒色クロムメッキでは外観もしくは耐久性の面からNGだったのだと想像しています。真鍮だと色々難しいのかもしれないですね。有識者教えて!
実際にライカでもM11以降ブラッククロームがラインナップから消え軽量化したアルミニウムにブラックペイントの仕様が追加されました。そういう意味ではブラッククロームのモニターレスデジタルカメラはM10-Dが唯一無二になるかもしれません。それこそ初代M-Dはブラックペイント(艶あり)ですしM Edition60 はステンレスなので全て素材や処理が違うことになります。どの世代のカメラも旧型化や陳腐化しづらいのは1ユーザーとして嬉しい限りです。
最後になりますが作例をどうぞ。
縦構図見ずらいですが。。
Leica M10-Dの初期レビューこそあれど長期使用レビューは少ないと思いますので気になっている方の参考になればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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