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【内部通報制度】内部通報を受け付ける際のポイント

内部受付業務従事者(内部窓口にて通報または相談を受け付ける者)が内部通報を受け付ける際のポイントについて、厚生労働省「パワーハラスメント対策導入マニュアル(第4版)」から考察していきます。

■相談対応のうまくいかなかった事例

ある日、ハラスメント相談窓口に男性従業員より匿名で相談の電話がありました。
当該従業員は、女性上司が子どもの学校の成績、共働きの妻の年収、休日の過ごし方などのプライベートについて、根ほり葉ほり聞いてくることが苦痛であるということでした。
そのため、女性上司に悪気はなく、業務を指示するにあたり、部下のプライベートな事情や生活状況等を考慮することを目的で聞いているのだから、パワハラにはあたらないと話したところ、相談者は怒った様子で「じゃあ、もういいです。」と告げて、電話が切られてしまいました。

■内部受付業務従事者の対応の問題点

「女性上司に悪気はなく、業務を指示するにあたり、部下のプライベートな事情や生活状況等を考慮することを目的で聞いているのだから、パワハラにはあたらない」

この対応から次の問題点が見えてきます。

・「女性上司に悪気はない」「部下のプライベートな事情や生活状況等を考慮することを目的で聞いているのだから」と、女性上司の言動の意図を確認することなく、内部受付業務従事者の「先入観」でもって対応してしまった。

・内部受付業務従事者の主観で「パワハラにはあたらない」と「断定」してしまった。

■相談者に共感を示さない下記のフレーズは、厳禁

・「パワハラを受けるなんて、あなたの行動にも問題(落ち度)があったのではないか」と相談者を責める。
・「どうして、もっと早く相談しなかったのか」と責める。
・「それは、パワハラですねそれは、パワハラとは言えません」と断定する。
・「これくらいは当たり前、それはあなたの考え過ぎではないか 」と説得する。
・「そんなことはたいしたことではないから、我慢した方がよい」と説得する。
・「(行為者は)決して悪い人ではないから、問題にしない方がいい」と説得する。
・「そんなことでくよくよせずに、やられたらやり返せばいい」とアドバイスをする。
・「個人的な問題だから、相手と二人でじっくりと話し合えばいい」とアドバイスをする。
・「そんなことは無視すればいい」とアドバイスをする。
・「気にしても仕方がない。忘れて仕事に集中した方がよい」とアドバイスをする。

上記フレーズの語尾
「責める」「断定する」「説得する」「(的外れな)アドバイス」は、厳禁であることに細心の注意を払う必要があります。

また、内部受付業務従事者自身の「先入観」は捨て、相談者の話をゆっくり、最後まで傾聴することを意識する必要があります。

福田秀喜(行政書士福田法務事務所)
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【追伸】

「改正公益通報者保護法」に対応した
「内部通報制度規程(雛形)」をご提供します。
 ⇒ https://kinyutorihiki.com/naibutuuhou/

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